「ビビる」「ムカつく」くらいがちょうどいい!?同期入社は一生の強敵(とも)である

2013.7.30  2658Views

皆さん、こんにちは。常見陽平です。


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なぜ同期は「はじめて会った気がしない」のか?


昨日、ある企業の内定者懇親会にお邪魔するという貴重な機会を頂きました。
採用担当者だけでなく、副社長まで参加した宴は非常に盛り上がり、内定者たちは、2次会に出かけていきました。


自分が採用担当者をしていたときのことを思い出しました。
採用担当者として、感極まる瞬間の一つです。
個別にフォローしていた学生が一堂に会するというのは鳥肌ものです。


内定者懇親会というのは、採用担当者が緊張する瞬間でもあります。
他の内定者や、社員をみて「こいつらと働くのか」と思われたら終わりだからです。


「内定者懇親会で同期をみてがっかりした」
「社長以外に優秀な社員がいないことに気づいた」



などの理由で内定を辞退する学生だっています。
世の中には、内定者懇親会を、内定辞退を決意する最後の材料集めという位置づけにしている学生だっています。



昨日、参加した懇親会は実に盛り上がり学生たちは皆、「はじめて会った気がしない」と言っていました。
この「はじめて会った気がしない」のはなぜでしょう?
やはりそこには、同じ企業を同じ時代に選んだだけあって、同じ魂を持っているということでしょう。
その年、その年の採用テーマもありますし、その企業の変わらない価値観もありますし。



そして、同期というのは一生ものの仲間でもあります。
途中で会社を辞めて新しいステージに向かおうとも、同期は同期です。
3Dという言葉があります。
「だって、同期、だよね」と。



その後、誰かが偉くなったとしても、何かあったとしても、同期は同期なのです。
同期というつながりができることは、新卒採用の功罪の功の部分だと言えます。




「ビビる」「ムカつく」くらいがちょうどいい


一方、同期と会っていて、こんな感情が沸き起こることがあるでしょう。

明らかに優秀で、緊張してしまったり、あるいは、明らかに性格が合わず、個性がつよく、合わないなと思ってしまったり。
前の項目でふれた、明らかに能力や意欲が低く、「こいつらと働くのか」と思うのとはまた違う感情ですね。


でも、いいんです。同期とはそういうものです。

明らかに自分より能力が高く見える人もいるでしょうが、向こうは向こうであなたを尊敬していたりします。


中には、明らかに個性が強く、現状のその企業には合わないかなという人がいたりするわけですが、それもまた組織に変化を起こすために、異質な人材を意識的に採用していたりするわけです。

きっと向こうも、実はあなたに一目置いていたりするわけです。
きっと「合わない」と思った人ほど、あとで親友になれるかもしれないわけです。



同期は一生の強敵(とも)です。大事にしましょう。

執筆者プロフィール

常見陽平

常見陽平

評論家
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、クオリティ・オブ・ライフ(現在:フェロー)を経てフリーに。
雇用・労働、キャリア、若者論などをテーマに執筆、講演に没頭中。
2015年4月 千葉商科大学に新設された国際教養学部の専任講師に就任。
著書多数。