「仕事が嫌でも辞めるな、会社が嫌なら辞めろ」社会に出てからどうするか?

2012.8.17  7080Views

皆さん、こんにちは。常見陽平です。 




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意外と知らない、雇用の常識




経済学者の飯田泰之先生と一緒に、ニコ生の番組を担当することになりました。
講談社現代ビジネスさんの企画です。
その名も「饒舌大陸」です。
毎回、ゲストを招き、「働き方」について考えます。


第一回目のゲストは海老原嗣生さんでした。
ニコ生のプレミアム会員の方はタイムシフト視聴できますので、ご覧ください。


   


実はこのメンバーで、先月、ニコ生に出たことがありました。
その時の記事もよろしければご覧ください。映像も残っています。


こちらはYouTubeなので、誰でも観ることができます。


   


今回は、「キャリア」をテーマに話し合いました。
よく誤解されがちな「日本型雇用」についての、真実に迫りました。


35歳転職限界説の真実、資格をとっても就職・転職は上手くいかないし会社で活躍できるわけでもない、欧米型(と言われるもの)は素晴らしいのか、米国人は意外に社畜?など、常識のウソに迫りまくりの1時間半でした。


「雇用の常識」は誰でも知っていそうで、実は知りません。
この時、大事なのは、よく言われている通説ではなく、数字と事実から世の中を捉え直すということですね。
漠然とした不安からは解放されます。
そのために、この2本の映像と一緒に読みたいのが、この本。
雇用の常識 決着版: 「本当に見えるウソ」 (ちくま文庫) 』です。


3年前に出た本のデータを大幅に入れ替え、やはり大幅に加筆し、文庫化しました。
ほぼ新しい本だと言っても過言ではありません。
就活を始める前に、企業に入る前にぜひ、読むことをオススメします。




会社は肌、空気が命




海老原さんの発言の中で印象的だったのが、「仕事が嫌でも辞めるな。会社が嫌なら辞めろ。」というものでした。


どういうことか?
何か仕事を成し遂げないと経験もスキルもたまりません。
でも、「仕事」はともかく「会社」が合わないと最悪です。
社風、仕事のすすめ方、価値観などが合わないと、その職場は地獄です。
これはまた、私がずっと言い続けてきたことであり、数々の求職者をみて感じてきたことであり、自分自身も15年間のサラリーマン生活で感じてきたことです。


ただ、会社に合わないと即転職した方がいいのか?
これもまた違います。
少し大きな企業なら「異動」という手段で環境を変えることが可能です。
部署が違うとまったく雰囲気も仕事の進め方も違うので、ある部署で元気のなかった人が突然、元気になるということもあります。
数々の就職迷子、転職難民をみてきましたが、正直なところ、雇用の常識を知らない、相場を知らないということが原因ですね。
そのため、何度も転職を繰り返したり、ブラック企業に騙されたりもするのです。


就職する前に、働く前にこの映像と本で雇用の常識を身につけましょうかね。

執筆者プロフィール

常見陽平

常見陽平

評論家
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、クオリティ・オブ・ライフ(現在:フェロー)を経てフリーに。
雇用・労働、キャリア、若者論などをテーマに執筆、講演に没頭中。
2015年4月 千葉商科大学に新設された国際教養学部の専任講師に就任。
著書多数。