エントリーシートはスマホで書いていいものか?

2016.2. 3  6121Views

 皆さん、こんにちは。常見陽平です。

携帯と学生 若者は使い方を進化させる


 2010年から大学の非常勤講師の仕事を始めました。昨年、2015年から千葉商科大学国際教養学部の専任講師となりました。その前からも就活をする学生をウォッチし続けています。
 なかでも、学生と携帯やSNSの変化というのは興味深いものです。まさに学生に携帯が普及し始めたのは私が就活をしていた20年前頃でした。ちょうど保証金制度(そう、約20年前はそんなものがあったのです)が廃止されたり、販売報奨金が強化されたりしました。これで、人事からの電話も逃さない、と。その後の大きな変化は、SMSやメールのやり取りができるようになり友人とやり取りできるようになったこと、携帯にカメラがついたことにより、気になる資料を撮影して保存できるようになったこと、さらにはSNSの登場、スマホ化ですね。その時代、時代の学生は進化した携帯を工夫して、学生生活に、就活にと活用していました。

 特に就活においては、00年代にはセミナーが終わるたびにmixiのIDを聞いたり、赤外線通信(これも懐かしいですね)で連絡先の交換をしたりという光景をよく見かけたものでした。ここ数年はTwitterとFacebookですね。5、6年前はこれらのものが流行り始めた頃で、就活生のSNS交流会などもよく開かれていたものでした。懐かしい。


 就活に限らずですが...。ここ数年、なんでもスマホで完結させる学生を見かけ、驚愕しています。特にレポートをスマホで書き上げる学生には驚きました。でも、これ、できるんですよね。最近では、EVERNOTEなどのクラウドサービスを使えば、スマホでもレポートを書くことができます。スマホは予測変換機能が強力ですし、画面も大きくなっていますし。むしろパソコンで書くよりもこちらの方が快適だという考え方もあります。

 というわけで、学生の携帯・スマホ活用術はますます進化していくわけです。

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EVERNOTEで移動中にエントリーシートを下書きする


 今年はスマホでエントリーシートを書く学生がむしろマジョリティになって行くのではないかと私は見ています。高校時代からスマホを使っていた層が就活生になり始めていますし、もうみんなスマホですし。就活時期の見直しで、短期決戦になることも影響することでしょう。時間を効率的に使うことが期待されるわけです。

 移動中に、EVERNOTEでエントリーシートを下書きする学生が増えることでしょう。いや、もうそういう学生はよく見かけるわけで。会社説明会やOB・OG訪問などで情報を収集した後に、すぐに取り掛かることができるので合理的です。友人同士で共有し、添削しあうというのも、学生がすでに始めている使い方です。EVERNOTEなら、見かけた資料やウェブサイトもどんどん保存できますし。このサービスも進化していて、関連する情報が表示されるようになっていますし。集めた情報をもとに、移動中に書き上げてしまうわけです。

 もっとも、何でもかんでもスマホで完結はできないわけで。最後の仕上げなどはPCで行うと効果的です。

 というわけで、数年前から「スマホ就活」の時代と言われていましたが、学生はますます洗練された使い方を始めそうです。効率化は2017年度就活の大事なキーワードです。スマホとクラウドツールを上手く活用しましょう。

執筆者プロフィール

常見陽平

常見陽平

評論家
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、クオリティ・オブ・ライフ(現在:フェロー)を経てフリーに。
雇用・労働、キャリア、若者論などをテーマに執筆、講演に没頭中。
2015年4月 千葉商科大学に新設された国際教養学部の専任講師に就任。
著書多数。