第一志望から内々定!決断できないのは、誰のせい?

2012.5. 2  10292Views

皆さん、こんにちは。常見陽平です。




第一志望なのに、決断できないという悩み




読者の方からご相談を頂きました。


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こんにちは。
先日、第一志望群の企業から内々定をいただきました。
他の企業は現在殆ど選考が進んでいない状況だということもあり、内定承諾をしようと考えています。
しかし、他にもっといい企業があるのではないかと考えてしまって、まだ決心がつきません。
何かアドバイス等あればお願いします。


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なるほど。よくある悩みですよね。お答えしましょう。なお、以前のこのエントリーも参考にしてください。




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bestかbetterか?




この方は第一志望の企業から内々定が出つつも「もっといい会社があるんじゃないか?」と思っているわけですね。
言ってみれば、"better"な企業があるのではないかと思っているわけです。
気持ちはよく分かります。


でも、就職先を決めるときや、交際相手を決める際など、人生の大事な選択のときはbetterではなく、bestで考えるべきなのですね、最終的には。
もちろん、検討の過程においては、どっちがいいのかといつも考えるわけですけれど。


「黙っていればもっといいものが出てくる」と考えてしまうのは、90年代くらいまでの消費社会により生み出された行動特性のように思いますが、就活を消費と同列で考えてはいけないかな、と。
就職先としてbetterな企業があるのではないかとブレるのではなく、bestはどこかと考えた方が良いかな、と。


まずは、先程ご紹介した以前のエントリーを読んで、もう一度、その企業の志望動機を考えてみてください。
自分が行く理由は何なのかを整理してみましょう。
悩んでいるポイントも明確にすると良いでしょうね。


そこで決断できない場合は、bestな企業に出会えていない可能性がありますね。
その場合は、こっそりもう少し見てみるのも良いでしょう。


就職先にしろ、交際相手にしろ、bestに出会うとブレないのですよ。
それ以外はまったく見えなくなり、決断できますから。


ただ、今まで第一志望だったからには何か理由があるはず。立ち止まって考えてみましょう。




「採用担当者が悪い!」という見方も




この方の質問からはややズレますが...。
人事関係者視点から考えると、実は悪いのは採用担当者ですね。
ちゃんと、口説けよ、と。
おそらく、採用数が多くて把握しきれていないのですかね。
あるいは口説けたと勘違いしているのでしょう。


いや、採用担当者の口説きは時に行きすぎることもあります。
それこそ軟禁する、激しく拘束する、今すぐ他を全部断れと言うなど、学生との力関係を利用した脅しはどうかと思います。




ただ、「ちゃんと口説く」ということは大事です。
その学生に納得して、早く進路を決めてもらう。
そのための熱心な口説きは大事でしょう。
そこに一生懸命じゃない企業は学生に嫌われてもしょうがないですよね...。


「なぜ、私を採用するのか」という点について担当者に質問してみるのは一つの手ですね。




やや話が拡散してしまいましたが、早く納得できるように、まずは頭の中を整理しましょうね。


執筆者プロフィール

常見陽平

常見陽平

評論家
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、クオリティ・オブ・ライフ(現在:フェロー)を経てフリーに。
雇用・労働、キャリア、若者論などをテーマに執筆、講演に没頭中。
2015年4月 千葉商科大学に新設された国際教養学部の専任講師に就任。
著書多数。