時事問題は「土俵力」で乗り切る

2016.2.12  876Views

 皆さん、こんにちは。常見陽平です。

「最近の気になるニュースは?」は世間話ではない


 政治、スポーツ、芸能などなど、あらゆる分野でスキャンダル報道がいっぱいの今日このごろです。この手のスキャンダルが報道される時には、実は政界や経済界が隠したいニュースがあり、そこから目をそらすための工作ではないかと、うがった見方をしてみたりします。

 それはそうと、就活スタートが近づいてきました。と言いつつ、もうインターンシップやOB・OG訪問会などと称して始まっているのですけどね。スキャンダルネタはともかく、この時事問題というのも就活で問われる問題ではあります。より具体的には、エントリーシートや面接で気になるニュースについて問われたり、一部の企業では筆記試験で時事問題に関する問題が出たりしますね。時事問題に関するガイド本や問題集も出ていますね。

 まず、大前提として...。毎年、先輩たちが就活初期段階でハマることをお伝えしますね。「最近の気になるニュースは?」という質問を世間話のレベルで答えては何の意味もないということです。これは情報感度、好奇心だけでなく、価値観、思考回路、論理的思考力などを問う質問であります。普段の世間話レベルで芸能やスポーツの話をして「すごい」「感動した」「驚いた」などと言うのはどうかと思います。


 また、単なる感情論で論じるのもどうかと思います。世の中で起こっている問題は複雑です。問題とはそういうものです。答を出すことは簡単ではないですが、単なる好き嫌い、感情で論じてもまるで説得力はありません。

 というわけで、まずは単なる世間話でも、感情論でもダメなんだということを覚えておいてください。


自分の土俵に持ち込む「土俵力」


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 就活における時事問題関連の問いに答えるコツは、1つ、2つでいいので自分の関心のあるテーマを持ち、調べておくこと、そして自分の土俵に持ち込むことです。前者は当たり前すぎるので、後者の「土俵力」について説明します。

 なんとなく学生生活を過ごしてきたという方も、1つ、2つくらい自分の得意な分野はあるかと思います。例えば、ゼミで研究している分野、面白くて夢中になった科目などです。時事問題などに関して、自分が得意な分野の理論、フレームで読み解くことにチャレンジしてみましょう。これだけで世間話レベルのテーマでも一気に深いものになるはずです。別に専攻が経済学や経営学などでなくても、学んだことで社会問題を読み解くという取り組みは評価されるものです。

 この自分の土俵で勝負するという処世術は社会に出てからも使えるのですね。土俵力を今から磨いておきましょう。

執筆者プロフィール

常見陽平

常見陽平

評論家
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、クオリティ・オブ・ライフ(現在:フェロー)を経てフリーに。
雇用・労働、キャリア、若者論などをテーマに執筆、講演に没頭中。
2015年4月 千葉商科大学に新設された国際教養学部の専任講師に就任。
著書多数。