時期がいつだろうと、就活生に必要な「選考時期察知力」

2015.10.26  657Views

 皆さん、こんにちは。常見陽平です。

就活時期は再度見直しモードだけど


 10月25日の読売新聞が、就活時期について経団連が再度見直しを行い、2017年度から選考開始時期を8月から6月に前倒しすると方針をかためた、と報道しました。

就職選考6月解禁、来年から前倒し...経団連調整(読売新聞)
 この件については、BLOGOSというサイトに、私の意見を書きましたのでご覧ください。

就活時期再見直しは、政府も経団連も丁寧な説明をするべきだ(BLOGOS)
要するに、時期の見直しをするのは良いけれど「学修機会の確保」「留学の促進」という、もともとの目的、大義名分はどこにいったのかという話です。


 なお、就活時期繰り下げ問題に関するエントリーとしては、次の3つがわかりやすいのでご覧ください。

「"就活時期見直し"問題の本質」(NHK視点・論点)

「就活時期の繰り下げ」はなぜ失敗したのか(プレジデントオンライン)

「ネット就活」は限界、リアルへ回帰 常見陽平さん(朝日新聞デジタル)

 さて、これらの議論をしてきた上で、ちゃぶ台をひっくり返しますが・・・。やや暴論ですが、就活時期なんてものはいつだって同じです。就活生にとっても、企業にとっても、です。表向きのルールと、実態は常に違うのですから。

 この「選考時期察知力」というのは、昔も今も求められる力です。学生にとっても、企業にとっても、です。今日はこの話をしましょう。


その企業は、本当はいつ、どう動いているのか?


day-planner-828611_1280.jpg

「もう、A社のリク面、始まったぞ」
「B社の青田買い、始まったぞ」
「金融がやっと動きだしたな。商社はまだだな」

 あぁ、こんな会話を何度、聞いたでしょう。ええ、もう20年くらい聞いています。最初に聞いたのは、22年前の1993年4月、大学1年生の時に、入学してすぐにサークルの歓迎会での先輩の就活談義でした。あれから、時には就活生として、OB・OG訪問を受ける立場として、人事として、ライターとして、そして今は大学教員として、本当にいろんな立場でこの談義を聞いてきました。そう、経団連の「指針」はもちろん、各社が公式に発表しているスケジュールどおりにも、実際は動かないのですよ。どの時代においても、です。

 このスケジュールを気にしているのは、もちろん学生だけではありません。企業の人事や、大学職員も気にしているのですね。ネットの書き込みのチェック、エゴサーチ、友人・知人の情報、学生からの情報など、諸々駆使しして他社の動きを調べるのですよね。モニター学生の情報をもとに、学生がどう動いているか、関連して言うならば他社がどう動いているかを確認できるレポートサービスまであります。これらの情報をもとに、自社の採用スケジュールをどう変更するか、全体を変更しないまでも、バッティングしそうな業界・企業の動きに合わせ、一部の学生だけ早めに内定を出すなどの対策を打つのです。

 経団連から就活時期前倒しの正式な発表があろうとなかろうと、これから就活を迎える学生さんは、全体の時期もそうですし、各社の動きも含め、予定どおりには動かないものだと思っておいた方がよいでしょう。前述したような手段もそうですが、一番手っ取り早いのは、情報通の友人を持つことですけどね。もっとも、情報はもらうだけではなく、自分も何か伝えないと「情報交換」にはならないわけですが。

 情報を足で稼ぐのは、社会人になってからもまったく一緒です。というわけで、大人たちにだまされず、情報感度を高めていきましょう。

執筆者プロフィール

常見陽平

常見陽平

評論家
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、クオリティ・オブ・ライフ(現在:フェロー)を経てフリーに。
雇用・労働、キャリア、若者論などをテーマに執筆、講演に没頭中。
2015年4月 千葉商科大学に新設された国際教養学部の専任講師に就任。
著書多数。