「模擬面接のススメ」面接官をやってみればだいたいわかる

2014.2.28  3116Views

皆さん、こんにちは。常見陽平です。

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「相手の立場で考える」という基本


2月は実に久々に、大学や合同企業説明会でコテコテの就活支援系講座で講師をしました。
そう、私、就活支援の人と思われていますが、実は最近は就活系の書籍と講演は少ないのです。
とはいえ、講師として壇上に立つと、燃えてくるものですね。

この手の講座で、私がこだわっているのは、世の中の現実を伝えること、特に採用担当者の視点を伝えることです。
学生が「良かれ」と思っていることは、採用担当者にはまるで響かないということがよくあるわけですね。

「社会人の基本」としてよく語られることに「相手の立場で考える」というものがあります。
これは、就活においても当てはまるわけです。
ただ、これがちゃんと出来ている人はなかなかいないと感じます。

いや、よく学生たちは「学生時代に力を入れたこと」で「アルバイトで、"お客様の立場"に立って、相手の話を聞いて、笑顔で接客した」なんていうアピールをするわけですが、彼なりに頑張っているのでしょうけど、率直に言うならば、ちょっと丁寧に話を聞いたレベルです。

「お客様の立場」と言いますが、そもそも、あなたのお店を選んだ理由はわかりますか?
そのお店の空間やそこでの時間に期待していることは何かわかりますか?

実はアクセスのよさだったり、すぐに料理が出てくることだったり、合格点レベルの味だということだったり...。
「お客様の立場」から考えると、あなたがいくら接客を頑張ろうと、悲しいかな、単なる空回りになることさえあるわけです。

選考においても、同じで、採用担当者の立場で考えてみるとわかりやすいです。
ぶっちゃけたところ、採用担当者なら誰をとるか、何を評価するか。
これを考えてみることです。
採用担当者の立場、考えてみたことありますか?

 

3人集まって、模擬面接をやってみる


採用担当者の立場を体感するための、手っ取り早い方法は、模擬面接をしてみることです。
面接官役を体験することによって、面接官の視界がわかります。

3人くらいで集まって、学生役、面接官役、観察者役に分かれてやってみましょう。
観察者役は片手でスマホで映像を撮影しつつ、気づいたことを記録します。
面接官役は、「自己紹介」「学生時代に力を入れたこと」「志望動機」「10年後、目指す姿」など、よく聞かれる質問を投げかけてみて、答えに対して、追加の質問をするといいでしょう。

これは、学生にとっても面接のトレーニングとして有効ですが、実は面接官役、観察者役も成長できるのですね。
他の人の面接を観察するのは、参考になるものです。
特に面接官役は、自分の質問に対して相手の答がずれていたり、冗長だったりすると、いかに嫌かが分かるものです。
これから活躍しそうな、成長しそうな、風土にも合ってそうな人を採りたいと思って会っているのに、ズレたこと言われてもね、と。

面接に自信が無い方、ぜひ試してみましょう。
なお、学生だけの模擬面接ではなく、キャリアセンターの方など、大人にも見てもらいましょうね。

執筆者プロフィール

常見陽平

常見陽平

評論家
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、クオリティ・オブ・ライフ(現在:フェロー)を経てフリーに。
雇用・労働、キャリア、若者論などをテーマに執筆、講演に没頭中。
2015年4月 千葉商科大学に新設された国際教養学部の専任講師に就任。
著書多数。