「2次募集って、不利なの?」就活と募集日程の関係

2012.4.24  72984Views

皆さん、こんにちは。常見陽平です。


a0002_005146.jpg




日程による有利不利、実際いろいろある




読者の方から質問がありました。


「2次募集に応募したいと思っていますが、これって不利なんですかね?」


なるほど。気になるテーマですね。
2次募集だけでなく、少し広げて、就活と募集日程の関係について考えてみましょう。


企業によっては締め切りの時期が何回かに分かれていることがありますよね。
特に大手企業、しかも人気企業においてはできるだけ早い日程の方が有利です。


なぜか?今の新卒採用のやり方で言うと企業は、できるだけ早く定員を埋めたいと考えるからです。


大手飲料メーカーの元人事部長はこう語ります。


「最初の締め切りでできるだけ埋めて、顔ぶれをみるんです。
そこで、管理部門に行くタイプがたりない、営業タイプがもっと欲しい、変わり種も欲しいなど足りないタイプを洗い出します。
後の日程は、人数が少ない上、求めるタイプが偏っていて、しかも学生にはそれがわからないので、不利だと言えるでしょう」


なるほど。
まぁ、この手のことは「自分が人事だったら、どう考えるか?」と、相手の立場になってみるとわかりやすいですね。


一方で、消費財メーカーの採用担当者はこう語ります。


「応募数が少ないのは最初の日程で、後の日程の方が応募数は多くなります。
4対6くらいでしょうか?
ただ、最初の日程は志望度が高い学生、優秀な学生が多く、激戦だとも言えます。
もっとも、早く埋めたいこともあり、採用基準は高くなるわけでもないのですが」


では、夏採用などの日程はどうなのでしょう?大手旅行代理店の役員の方はこう語ります。


「最近は夏採用の方を重視しています。
留学帰りの人、スポーツに没頭していた人など、多様な人材が採れますからね」


逆に言うと、普通の学生を狙っている日程というわけではないのですかね?


大手食品メーカーの採用責任者はこうボヤきます。


「経済団体の方針や、それを受けての経営トップ層からの指示で、夏採用をしろとか、既卒者を採れと言う声があり、実際、そうしているわけですが...。
たしかにユニークな人はいますけど、非効率だとも言えますね」


なるほど、採用活動の後ろ倒しの要請からそういう日程を設定するわけですが、実際は優秀層がいたら採るということでしょうかね?


日程の問題、結局、最初の方が有利なように聞こえるのですが、単純ではありませんね。




企業の採用課題を妄想してみる




ところで、本題の2次募集の件です。
2次募集するくらいですから、企業は困っていることは間違いありません。
逃げられたとか、数が埋まらなかったというわけですね。


内々定が出なくて悩んでいる方は、キャリアセンターにちょくちょく求人を見にいくといいですよ。
大学をしぼった追加募集がありますからね。


ただし、求める人材像にやや偏りがあること、人数は決して多くないことも覚えておきましょう。


1にも2にも応募しなければ内々定は出ませんし、一方で、闇雲に応募してもダメです。
考えて行動しましょうね。


執筆者プロフィール

常見陽平

常見陽平

評論家
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、クオリティ・オブ・ライフ(現在:フェロー)を経てフリーに。
雇用・労働、キャリア、若者論などをテーマに執筆、講演に没頭中。
2015年4月 千葉商科大学に新設された国際教養学部の専任講師に就任。
著書多数。