「何歳で年収1000万もらえますか?」と聞いて撃沈される就活生 逆質問の制し方

2011.6.15  22213Views

こんにちは、常見陽平です。






最終面接で落とされる学生たち






ある有名大学のキャリアセンター職員から相談を受けました。


「今年は最終面接あたりで、逆質問の面接で落とされる学生がいっぱいいるんですよ・・・」
2010年度あたりから最終面接で落ちる学生が増え始めていました。


求人数が減少したこと、採用のバーが上がったこと、
最終面接においては逆に歩留まりが課題となるので入社意思が固い学生中心に内定を出すこと、
そもそも面接は最後の段階になるほど「迷ったら落とす」方針になることなどがその理由です。


今年はさらに、「何か質問したいことはありますか?」という"逆質問"中心に面接が進められ、
これで落ちる学生が増えていると聞きます。


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逆質問で見破られる、学生のホンネ




この手法を取り入れた、ある大手旅行会社の関係者はこう語ります。


「正直なところ、これまでの面接のやり方では、話が上手い、器用な学生が通っていました」と。


能動的に疑問を問いかけていける学生を採るために、逆質問の手法を取り入れているとのこと。


また、逆質問をさせることによって、その人のコミュニケーション力や、
素の価値観もわかると言います。


実際、その選考まで評価が高かった学生が、
逆質問をさせた途端、評価ダウンということも。


しまいには、給料が高くないことで有名な旅行会社で
「いつになったら年収1000万円もらえますか?」と聞いて、
地雷を踏んでしまった学生もいたそうです。


「グローバルに活躍したい!」とアピールした学生が、
「実家から通える大阪支店に配属される可能性はあるのでしょうか?」
と聞いてきたという例も...。
逆質問中心の面接で落ちてしまう学生に多いパターンは、
会話をリード出来ない学生、働くことに明らかに不安を抱いていると感じさせる質問をする人、
質問内容が以前の発言と矛盾している学生などですね。


質問は12個考えてから臨もう!






これまで面接した学生で、質問が上手いなと思った学生さんは、
まず事前に企業のことを調べていて、具体的な疑問点について質問していました。


また、「私は○○だと思っているのですが、実際はどうなのですか?」という風に、
質問を通じて意見を言えて、しかもその意見が鋭い学生は好印象だと感じました。
私が学生にすすめているのは、面接に限らず、
企業の人に会う際、12問は質問を考えておく、ということです。


12問というと大変そうですが、慣れるとだんだん共通の質問ができてくるものです。




[参考記事]
OBOG訪問は事前に質問を考えておこう 立教大生から私への10質問






ちなみに、私が企業の方と会う際によく聞く質問は


「御社で優秀だと言われる人はどんな人ですか?」
「御社らしさを感じる部分(瞬間)はどんな点ですか?」


などですかね。


その企業ならではの色、匂いとは何なのかを知りたいなと思っています。


そして、キャリアセンターの方に面談をお願いする際は、
企業に対してする質問を考え、この質問は有効か、失礼じゃないかを相談するとよいでしょう。


さて、あなたは企業に、どんな質問をぶつけますか?


執筆者プロフィール

常見陽平

常見陽平

評論家
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、クオリティ・オブ・ライフ(現在:フェロー)を経てフリーに。
雇用・労働、キャリア、若者論などをテーマに執筆、講演に没頭中。
2015年4月 千葉商科大学に新設された国際教養学部の専任講師に就任。
著書多数。