どうなる今年のインターンシップ!?そこに「らしさ」はあるのか?

2013.6. 7  2695Views

皆さん、こんにちは。常見陽平です。
 
 
a0003_001903.jpg
 
 

インターンシップについて企業と学生はどう考えているのか?


 
今年もインターンシップの募集が始まりましたね。
2014年度の採用活動もまだ終わって企業もあるわけですが。
 
あ、2014年度ですけど、データを見る限り、求人は回復傾向ですね。
都内の大学さんにお邪魔すると、今年は決まるのが早い、内定率は回復傾向、昨年よりも有名企業に決まる人が多いという声を聞きます。
ただ、決まっていない学生さんも焦らずに。まだまだこれからですよ。
 
いきなり脱線しましたが、では、ここで2015年度卒のインターンシップ、つまり今年のインターンシップがどうなりそうかを考えてみましょう。
HR総合調査研究所がこのたび発表した「2015年新卒採用戦略策定のための2014年新卒採用徹底解剖CD-ROM」をもとに考えてみます。
 
まず、インターンシップの実施ですが、この調査が行われた今年の春の時点では、37%の企業が未定だと答えています。
ただ、企業規模が大きくなるほどインターンシップの実施に前向きで、40%の企業が実施予定だと答えています。
 
実施する期間に関していうと、1~2週間がほとんどですね。
私が採用担当をしていた00年代半ば~後半に流行ったワンデーインターンシップは大幅に減りました。
経団連の倫理憲章において、インターンシップについては5日以上の職場体験を伴うものにする、という方針が示されたことも影響しているでしょう。
 
なお、倫理憲章は選考に直結するインターンシップはしないようにとしているものの、5割近い企業か『選考・内定直結型インターンシッフ』に前向きです。
逆に「ありえない」とする企業は1割程度です。
まあ、実際は、インターンシップに参加した人を囲い込む、早めに内定を出すということが行われているわけですけど。
 
学生も約8割が内定直結インターンシップを歓迎しております。
実際、企業の中身を知ることができるわけですし。
内定につながらないなら、なぜやるのかという話にもなりますよね、普通に考えると。
大学関係者も三分の二くらいの大学が賛成しています。
 
また、有給で長期間行うインターンシップについては学生の4割が支持していますが、企業で支持しているのは2割程度です。
 
2016年卒より就活時期の後ろ倒しが実行されそうなわけですが、それに向けて、インターンシップ重視の動きは今後も盛り上がりそうです。
 
 

インターンシップをすると、就活に有利?


 
インターンシップの件。
毎年、「インターンシップに行くと就活に有利ですか?」という質問を頂きます。
結論から言うと、「有利になることもありますよ」というのが答えではあります。
 
後述しますが、日本のインターンシップのプログラムってどうなのよ?というツッコミどころは多数ありますが、とはいえ、会社を内側から見ることができるというのはメリットではあります。
その企業を志望していなくても、企業とはどう動いているのか、社会人はどのように働いているのかを垣間見ることができる機会にはなりえます。
成長するきっかけにはなります。
仲間も増えますし。選考で優遇されることもありますし。
外資系企業やベンチャーなどは選考を兼ねていますね。
まだまだメリットはありますが、このへんで。
 
というわけで、インターンシップは諸々問題がありつつも、興味がある人はトライしてみる価値ありです。
 
 

とはいえ、インターンシップってどうなのか?


 
ただ、私は現状のインターンシップを礼賛する気にもなりません。
 
まず、本音と建前が交差していますよねぇ。
採用に関係があるなら「関係している」と宣言するべきです。
倫理憲章で言っている「選考とは別にすること」という件がいかに現状にあっていないか、学生も大学も企業ももっと指摘した方がよいでしょう。
 
また、よくも悪くも、「インターンシップだったら、全然志望しない企業でもトライしてみよう」と思う学生はいるわけです。
より包み隠さず言うと、学生を騙すのにこんなに便利な施策はないのですね。
鳥が初めてみたものを親だと思うように、初めてみる企業はよく思えてしまうものですね。
 
何より、仕事内容、さらには企業の実態ともかけ離れたものが散見されることが気になっています。
 
まあ、仕事を完全に再現するのは難しいにしても...。
この業界、企業にロジカルシンキング講座はあり得ないでしょ、とか。
ツッコミどころはあるわけです。
 
インターンシップを紹介するサイトも、審査基準はどうなっているのか気になります。
リクルートなど大手就職情報会社では積極的に載せない(お金を払っても載せられない)企業が載ってしまっているのではないか、そんなことを懸念せざるを得ないわけです。
卒直に、「大丈夫か?」と思ってしまう企業が出てしまっているのが気になります。
 
そもそも、インターンシップのプログラムも、自社で考えたわけではなく、就職情報会社が提案したものをそのまま実行している場合も多いですからね。
インターンシップという名でこき使うプログラムが問題になっていることは言うまでもありません(この件は日経電子版の就活探偵団というコーナーに掲載されている記事が秀逸ですので、ぜひチェックしてみてください)。
 
というわけで、世の中はインターンシップ重視に動いているわけですが、インターンシップのダメっぷりがどうなるのか。
激しく注目しているわけです。
 
 
※インターンシップについては、過去にこんな記事も書いたので、御覧ください。
 
インターン搾取に喝!学生よ、今から搾取リテラシーを身につけなさい
 
インターン今昔物語!夏にインターンへ行っとくべきなの?
 
都庁のインターンシップは学生から支持されるのか?(AllAbout newsdig)

執筆者プロフィール

常見陽平

常見陽平

評論家
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、クオリティ・オブ・ライフ(現在:フェロー)を経てフリーに。
雇用・労働、キャリア、若者論などをテーマに執筆、講演に没頭中。
2015年4月 千葉商科大学に新設された国際教養学部の専任講師に就任。
著書多数。