ワンデーインターンシップはイマイチなのか?

2010.6. 8  1688Views

こんにちは、常見陽平です。

今回は、人気のあるワンデーインターンシップに関してお話したいと思います。


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ワンデーインターンシップとは?



ワンデーインターンシップはその名の通り、半日~1日で実施するプログラムです。
講演を聞き、グループワークをして発表したり、社員と交流したりという内容のものです。
私が採用担当をしていた2006年(2008年度採用)あたりから流行り始めました。

企業にとっては、受け入れ型と違い、短時間で多数の方に参加して頂くことができるというメリットがあります。
学生にとっても、参加しやすく、多数の企業を見ることができます。

一方、セミナーとの違いが明確ではないなどの指摘もあります。
200人の学生の前で人事担当者が企業説明することをワンデーインターンシップと称していた企業もありました。

私も人事担当者時代、ワンデーインターンシップを強烈に推進したことがありました。
多数の学生との接点を持ちたいと考え、実にひと夏で十数回開催し、約1350人に参加して頂きました。
毎回、プログラムをオリジナルで考え、毎週末開催しました。

社員にも協力を仰ぎ、登場してもらいました。
学生からは一定の評価を得られました。

かなりこったプログラムだったと自負していたのですが、学生からは、「先輩社員の話やワークもいいけれど、もっと企業説明を聞きたい」という意見も出て戸惑いました。

そして、ワンデーインターンシップに参加した学生が、本番の採用でエントリーしてくれたわけではありませんでした...。



ワンデーインターンシップを避けたほうがいい理由



個人的な意見では、インターンシップをするなら、ワンデーのプログラムは避けるべきだと思っております。
ただし、ワンデーがすべてNGというわけではありません。

中には、社長や役員、エース社員を登場し、高度な内容で高い満足度を勝ち得ているものもあります。
また、学生によってはあえてこれに多数参加し、企業情報の収集と、就活仲間づくりに取り組み、さらには必ず終了後に社員をつかまえ連絡先を聞き、OB訪問につなげるなどの工夫をしていた人もいました。

※2013年卒の採用からは経団連の取り決めにより、ワンデーインターンは禁止されたため、大手を中心に実施しない傾向になりそうです。

結局は活用の仕方次第です。
どう活用するか、考え工夫してみてください。


執筆者プロフィール

常見陽平

常見陽平

評論家
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、クオリティ・オブ・ライフ(現在:フェロー)を経てフリーに。
雇用・労働、キャリア、若者論などをテーマに執筆、講演に没頭中。
2015年4月 千葉商科大学に新設された国際教養学部の専任講師に就任。
著書多数。