就活の鍵はやっぱりOB・OG訪問?目からウロコの先輩探しとは?

2012.6.14  1333Views

皆さん、こんにちは。常見陽平です。




『人事部は見ている』というけれど、学生も見ている




6月12日(火)にHRプロ株式会社主催のHRサミットにてたくさんの人事担当者を前に講演しました。
予約では120席が満席でした。お集まり頂き、感激です。


私の講演では、2013年度採用で起こったことと2014年度採用でこれから起こることをお話ししました。
なんせ、倫理憲章改定によるスケジュール変更が大きなトピックスだったわけですが、他にも低学年からの採用、文系でも職種別採用などという新しい取り組み、ソー活、グローバル人材採用など話題がいっぱいでしたが、私なりの視点で斬りまくりました。
特に倫理憲章、ソー活、就活悪者論に関してはその虚実をぶった斬り、参加者からは「よくぞ言ってくれた」と好評でした。


このあたりの内容は、今後、まとめて発信していく予定ですのでご期待ください。


今回の講演では、サプライズ企画として就活を終えたばかりの学生によるパネルディスカッションを開きました。集まった学生は結果として、慶應院生1名、早稲田2名、一橋1名という4名で、参加者からは「あんな上位校の学生は、ウチの会社では採れない!」「もっと普通の学生の意見も聞かせて」というお叱りの声を頂きましたが...。HRプロのデータによると、少なくとも4月末時点での内定状況は、上位校中心に決まっているのですよね...。
これも現実です。


もちろん、私も様々な大学の学生とのつながりがあるわけですが、結果としてこうなってしまいました。
就活中の学生に頼むのはなんなので...。これもまた現実です。


良い対応をした企業、ダメな企業など実社名も出まくりで、なかなかスリリングでした。
採用力が強いと評判だったウェブ系企業で面接官が寝ていた話や、都内私鉄が「選考と関係ない社員との懇親会をやります」と言って学生を呼び出したら、もろにグループ面接だったという話などは笑えるような、笑えないような。
なかなか衝撃的でした。


再確認したことは、学生はちゃんと企業をみているということですね。
大人は包帯のようなウソをついて学生を騙そうとするわけですが、学生もバカではありません。
人事部は見ている。 (日経プレミアシリーズ) 』(楠木新 日本経済新聞出版社)という本が売れましたが、学生も見ているのです。


この点、採用担当者には意識してもらいたいですね。


というわけで、私自身も勉強になったイベントでした。
参加して頂いた皆さん、ご協力頂いた学生の皆さん、ありがとうございました。




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やっぱり就活はOB・OG訪問が大事?




学生の話を聞いていて、再確認したのは...。
やはり、社会人の話を聞いている学生は納得のいく結果につながっているということです。
皆さん、就活のOB・OG訪問もそうですが、学生団体の活動、セミナーへの参加、サークルやゼミのつながりなどから社会人によく会っています。


ちなみに、このイベントにご協力頂いた早稲田学生は、ソーシャルメディアを活用。
といっても、企業がつくるFacebookページにいいね!を押すとかそういうことではなく、興味のあり企業に勤めるOB・OGをひたすらFacebookで探し、アプローチしていました。
ソー活の虚実については今後、レポートしていきますが、ソーシャルメディアがこういう個人と個人のつながりを促進するのはよいことだと思っています。


慶応義塾大学の院生は目からウロコの方法でOB・OG訪問していました。
キャンパスの近くの飲食店にはOB・OGの名刺がベタベタ貼られているそうで...。
この名刺を利用してアプローチ。
皆さん、ちゃんと会ってくれたそうです。
特に体育会出身者はアポ率高かったとか。
愛校心、高いですからね。
まあ、個人情報にうるさい時代ですから、名刺を貼らせている店もどうかと思いますが、こういう方法もあります。
怖がらずにまずはアプローチというわけですね。


このように、社会人に会っている人はやっぱり強いと再確認した次第であります。
もっとも、手当たり次第に会えばいいというわけではないですし、様々な人に会ってみるのが大事ですが。


学生たちの取り組み、参考にしてみましょう。


執筆者プロフィール

常見陽平

常見陽平

評論家
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、クオリティ・オブ・ライフ(現在:フェロー)を経てフリーに。
雇用・労働、キャリア、若者論などをテーマに執筆、講演に没頭中。
2015年4月 千葉商科大学に新設された国際教養学部の専任講師に就任。
著書多数。