大手を受けるなら、シェアくらい調べなさい

2011.2.17  2531Views

こんにちは、常見陽平です。
毎週、模擬面接をしています。
忙しい中、わざわざ面接を受けにくるだけあってみんな、やる気満々なのですが、
まだまだ準備不足だなと感じることも。
自己分析も、業界・企業研究も甘いですね。


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企業のサービス・強みを把握せよ






特に、企業のことをまるで分かっていないと感じます。
消費者視点で企業を見ていて、職場としてという視点が弱いです。
いや、消費者視点においてすら弱い方も多数です。


例えば、


その企業の主力商品・サービスは何でしょう?
強みは何でしょう?


これくらいは押さえておきたいです。










業界シェアに注目しよう






皆さんにぜひ注目して頂きたいのは、シェアですね。


その企業の業界内における順位は何位で、シェアは何%くらいあるのでしょうか?
これくらいは、各種ホームページや、ビジネス誌を読むだけですぐ分かるものです。


この業界内の順位やシェアはなかなか深いです。
例えば、広告業界においては「電博」と呼ばれる電通と博報堂DYが2大巨塔なのですが、
2010年3月期の決算において、電通は売上高1兆6786億円、博報堂DYが9170億円でした。


1位と2位の電博で約7割、3位のADKを入れて約8割という、大手寡占市場なのですが、
1位と2位の売上高に1.8倍も差があるわけです。


このシェアの差を研究していくと、その業界の構造や、各企業の強みが見えてくるのです。




「人に惹かれた」だけの志望動機はやめよう






模擬面接をしていていると、「人に惹かれたから」という志望理由をよく聞きます。
特に総合商社を受ける学生を模擬面接していると、
各企業のビジネス上の強みなどをおさえていない人が多く、
単純に社員の印象の話に走りがちだなと感じます。


間違ってはいませんが、具体的にその人を通じて何を感じたのかを具体的に聞きたいところですし、
強み、特徴、得意分野の違い、ビジネスの進め方の違いも知っておきたいところですね。


についても考えておきたいところです。
まぁ、総合商社で言うと、一番分かりやすいのが社風の違いなのですが、
売上規模の差などを知らないのはどうかと思います。


もちろん、シェアが高くなくても、独自のポジションを気づいていて、
オンリーワンになれている企業もあります。


差別化戦略、ニッチ戦略ですね。


中堅・中小企業や、あまり知られていない業界はシェアが出しにくいということはありますが、
大手企業なら楽勝で調べられます。






まずはシェアをチェックし、なぜシェアを獲得できているのか、
強みは何なのかを考えてみましょう。

執筆者プロフィール

常見陽平

常見陽平

評論家
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、クオリティ・オブ・ライフ(現在:フェロー)を経てフリーに。
雇用・労働、キャリア、若者論などをテーマに執筆、講演に没頭中。
2015年4月 千葉商科大学に新設された国際教養学部の専任講師に就任。
著書多数。