就職ナビサイトの情報を赤く染めろ!徹底ツッコミで企業理解をしよう

2011.1.26  1743Views

こんにちは、常見陽平です。

今回は志望先の企業を決める上でも、ESを書く上でも役立つ、企業研究のコツをお届けしたいと思います。


a1130_000036.jpg



ナビサイトに疑問を持とう


 
私は以前から就職ナビサイトに疑問を持ってきました。
原点は採用担当者時代にさかのぼります。
それは、「昨年の原稿に赤を入れるだけでこんなにお金を取られるのか?」
という素朴な疑問から始まりました。

人気企業・大手企業ならここを経由しなくても直接、ホームページの採用情報コーナーに学生はやってきます。

もちろん、今まで企業を認知していなかった層にリーチできるというメリットはありますが。
さらに、提供される情報もフォーマットで決まっているわけです。
だから、比較検討できるというのもポイントではありますけどね。
企業の側からすると、一括エントリーができるので、母集団が膨張するということも企業側から懸念されています。

前提として、たぶんこのサイトを見ている人だったら当然知っていると思いますが、これらは広告です。
それを悪く言うつもりはないですし、ウソを書いているわけではないですが、企業からお金をもらって、作っているということを今一度意識しておきましょう。

つまり、悪いことを書くわけがないのです。

「先輩社員のぶっちゃけ情報」なども掲載されていますが、それも企業側から発信したものであり、過度な期待を抱かぬよう意図したものなのです。



ナビサイトを有効に使って企業理解しよう


 
でも、このナビサイトの広告ですが、実は有効な使い方があります。
それは、あえてコンパクトにまとまっている情報に、ツッコミをいれまくることによって、疑問点を明らかにするのです。

このやり方ですが、元々は大先輩の勉強法から学んだやり方です。
彼は何か新しい分野を勉強する際に、あえてもっともやさしそうな本を買ってきて、真っ赤にすることによって理解を深め、次に学ぶべきことを明らかにしていました。
例えば、「ソリューション営業」という言葉があったら、「それってどういうことだろう?」と疑ってみるのです。

この作業は、ややお金がかかりますが、ぜひ画面をプリントアウトして行ってください。
赤ペンを持って書きこむことによって、頭も冴えてくるものです。


ナビサイト1.png


ここでわからなかったことを、企業のホームページ、ニュース記事、雑誌の特集や書籍で調べたり、OB・OG訪問、会社説明会、選考などで質問し肉付けしていくのです。

ちなみに、プリントアウトし、赤ペンをいれまくったものは社員と会う際に持っていくと効果的です。
質問がしやすくなりますし、「こんなにかっこよく書かれているのか・・・。実態は・・・」
というホンネも聞きやすくなりますよ。


簡単な情報からも逆に得られるものはあります。
ぜひ、ツッコミを入れることで深掘りしてみましょう。


執筆者プロフィール

常見陽平

常見陽平

評論家
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、クオリティ・オブ・ライフ(現在:フェロー)を経てフリーに。
雇用・労働、キャリア、若者論などをテーマに執筆、講演に没頭中。
2015年4月 千葉商科大学に新設された国際教養学部の専任講師に就任。
著書多数。