業界研究:金融業界編(損害保険・証券)

2011.1.20  13733Views

こんにちは、編集部スタッフです。

今回は業界研究編、損保・証券業界をお届けします。

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損害保険とは?


損害保険とは、風水害などの自然災害や自動車の衝突事故など、"偶然の事故により生じた損害を補償する保険"のことです。

以下ような種類があります。
◆ノンマリン分野
 ・自動車保険
 ・自賠責保険
 ・火災、地震保険
 ・旅行保険
 ・傷害保険
 ・医療、介護保険
 ・ゴルファー保険
◆マリン分野
 ・海上保険(船舶保険、運送保険、貨物保険)

損害保険会社の仕組みとしては、生命保険とほぼ同じで、顧客から保険金を預かり、運用する機関投資家でもあります。


業界の動き


業界規模としては、6兆3000億円の市場規模になります。

リーマンショック以後の金融危機により、各社保有の有価証券が評価損となり、最終赤字になる企業が続出しました。
また、自動車販売の不振から自動車保険が苦戦し、今後の成長のためにも、2010年に大型再編が相次ぎました。

2010年4月に三井住友海上グループホールディングスとあいおい損害保険、ニッセイ同和損害保険が経営統合し、MS&インシュアランスグループホールディングスへ。
また、同月に損害保険ジャパンと日本興亜損害保険が経営統合し、NKSJホールディングスが発足しました。
トップの東京海上ホールディングスと合わせて、大手6社体制からメガ損保3強時代へ突入しました。

証券業界とは?


証券会社とは、有価証券の売買や売買仲介などを行う会社のことを指します。
直接金融を行う金融機関です。
※有価証券とは、為替手形や約束手形、債権(国債、地方など)、株券など。

業界規模は3兆8000億円、日本には300社近い証券会社があり、国内外の外国証券会社も含めると約340社になります。


証券会社の4つの業務


証券会社には次の4つの業務があります。

 
1.委託売買業務(ブローカー)

投資家(顧客)から委託されて、有価証券の売買を行う業務のこと。
証券取引所で取引できるのは、正会員の資格を持った証券会社だけです。
一般の投資家は、証券会社に取引をお願いすることにより、株式を売買できるようになります。
その売買で発生する手数料を収益としています。


2.自己売買業務(ディーリング)

証券会社自らが、自己の資金で自己の利益のために、有価証券を売買し、資産運用を行う業務のこと。

 
3.引受業務(アンダーライター)

企業が株式や債券を発行する場合に、発行会社に代わって有価証券を引き受ける業務のこと。
株券を市場に流通させる手段の一つです。


4.募集/売り出し業務(ディスリビューター)

発行会社の委託を受け、有価証券の募集及び売り出しを行う業務のこと。
有価証券を買い取って販売する引き受け業務とは異なり、販売するだけで、売れ残りが発生しても残った分を引き取る必要はありません。


証券業界の現状


2008年のリーマンショック、金融危機の影響で各社とも減収減益、証券業界の多くの企業で最終赤字を計上しました。
大手は業績を回復しつつあるも、中小はまだ赤字が続いており、まだまだ不安定な状態となっています。

また、再編も相次ぎ、
09年には三井住友フィナンシャルグループがシティグループから日興コーディアル証券、日興シティグループ証券の事業を買収・業務提携へ。
また、三菱UFJフィナンシャルグループは、2010年5月にモルガンスタンレー証券のインベストメントバンキング部門と統合し、三菱UFJモルガン・スタンレー証券となりました。

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