事務職(一般職)について理解しよう

2011.3. 7  315471Views

今回は事務職についてお伝えします。

新卒採用だと、いわゆる一般職のお仕事がこれにあたります。


事務職に対してどのようなイメージを持っていますか?
楽なんじゃないか、落ち着いて働けるのではないか...などのイメージを持っている人も多いのでは。

実はそうでもないことが多いんです。
事務職の役割や種類、求められるものを記載していきます。

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事務職の役割


事務職の役割は、個人もしくは部門のアシスタントをすることがメインのお仕事です。
自分がアシスタントをする対象が動きやすいように、サポートしていきます。

仕事の幅は企業によって様々なので、色々な企業を見てみるとその違いが分かるかと思います。


事務職の種類


事務職には色々な種類があります。
基本的なものをあげていくと、

・営業事務
・一般事務
・貿易事務
・秘書
・経理事務

などなど。

営業事務
その名の通り、営業に付いてアシスタントとして業務を行う職種です。

営業個人に1名がつくこともあれば、営業のグループに対して1名~複数名つくこともあります。

仕事内容は、営業の補佐がメインです。
営業の売上数字を表にしてまとめたり、営業に替って提案資料を作成したりします。
また、営業の留守中に掛かってきた取引先からの電話を対応し、受発注(依頼を受注したり、工場や依頼先に発注すること)を行ったり、商品発送の手配を行ったり、取引先にいつ納品されるかを管理したりします。

慣れてくると営業ではなく直接営業事務に取引先から連絡がいくようになり、受発注のやり取りなどがそこで完結されるようになったりします。

◆一般事務
この職種は会社によって様々ですが、営業事務のように個人やグループに付くのではなく、部門について補佐をすることがメインになります。

仕事内容は、資料作成がメインとなり、部門で必要な資料(数字報告等)を作成等を行います。

電話対応や来客対応も行いますが、営業事務と比べると頻度は少なく、部門全体がスムーズに業務遂行できるように動きます。

貿易事務
貿易関連の事務を行う仕事です。
他の事務職とは違い、貿易に関する専門性も問われます。

貿易事務は、輸入・輸出に関わる主に商社、メーカー、海運業者、船舶業者の4つの業界にある職種です。

業務内容は輸出業務と輸入業務に分かれています。

◇輸出業務:
・通関手配(貿易で輸入・輸出の際に税関に対して行う申告や手続き)
・通関書類作成
・運送手配(輸出に当たって運送手段や倉庫の手配)

◇輸入業務:
・通関手配
・関税や消費税納付
・商品の納入管理

一つの商品を輸出するにも、通関や輸出先への書類や事務手続き、連絡などの細々とした業務が多く発生し、輸出先の国の知識も問われます。
また、三国間貿易(どこかの国を経由して輸出・輸入すること)が増えているため、より難易度が増してきています。

使用するシステムもそうですが、海外とのやり取り(電話やメール等)があるため、日常レベルの語学力は必要となってきています。
通関に関する知識を調べる通関士の資格もあります。

秘書
企業の役員や社長などの直接付いて補佐を行う業務です。
役員一人に対して一人が付くこともあれば(個人付き)、複数人に対して一人~数人が付くこともあります(グループ付き)。

主な業務は、
・役員のスケジュール調整、出張や宿泊手配
・書類作成、訪問先の情報収集
・会議議事録作成
などです。

取引先が英語圏であったり、自社の役員が外国人の方であることも多く、日常会話レベル以上の語学力を求めてくるケースが多いです。

また、一般事務との棲み分けがあやふやですが、部署付きのアシスタントを、経理事務や企画事務と呼ぶこともあります。
この場合は、それぞれの部署の補佐を行うので、業務も書類作成にとどまらず、経理の伝票整理や、企画の提案書作成などが業務に含まれてきます。


求められる素養


事務職で共通して求められるものは、
・相手のことを考え、先回りして行動出来ること
・周囲に気配りが出来ること
・嫌な顔せず依頼事を引き受けてくれること
です。

また、職種別にみると、

◆営業事務
・周りを明るくすることが出来る人
(営業が落ち込んで帰ってきても明るく励ますことが出来る人)
・臨機応変に対応が出来る人
(取引先とやり取りが発生するため、その場の状況を加味して行動できる人)

◆一般事務
・ミスなく正確に業務を遂行できる人

◆貿易事務
・英語に抵抗がない人
・たくさんの書類や納期調整をミスなくスピーディに行うことに抵抗のない人

◆秘書
・(他の事務よりも特に)先回りして行動が出来る人
・臨機応変に対応が出来る人


企業によって違う"事務職"


事務ほど、仕事の幅や裁量などが企業によって違うものはないかもしれません。

例えば、創業50年くらいの成熟産業のメーカーだと、仕事の内容も幅も固まっていて、その内容をいかに正確に行えるかが求められるものになってきます。

また、まだ創業5年くらいのベンチャーだと、事務であっても仕事の線引きをしていてはダメなので、出来ることは何でもやっていくという姿勢が求められます。

会社が事務に求めるもので仕事内容が変わってくることを覚えておいてください。


事務職に向いている人・向いていない人


一般的に、人をサポートすることが好きな人が事務に向いていると言われています。
しかしながら、誰かをサポートする仕事は、お客様に相対する営業や、企画・管理部門でも出来ること。

「自分は事務しか合わない」と強く思われている方にお話を聞くと、事務以外でも適性があることが多いです。
自己分析を通して、自分はどういうときに喜びを感じるのかを改めて考えてみてくださいね。
事務職だけではなく、他の職種の適性も見えてくるかもしれません。
事務の仕事に関する本を読んで、自分に合うかどうかイメージを付けてみるのもよいですね。



ミスを防ぎ、仕事をスムーズにする オフィス事務の上手なすすめ方(オダギリ展子著/同文舘出版)

また、事務職が合わないだろうと思われる人は、自分が前に出てやり遂げたいタイプの方。
総合職を受けたほうがいいかもしれません。

※参考記事
総合職と一般職の違いとは?

いかがでしたか。
事務職に適性があるのかを悩んでいる人、事務職の選考をこれから受ける人はぜひ参考にしてみてくださいね。