就活に学歴は関係あるのか?企業が学歴差別をしてしまう7つの理由

2010.9. 6  7638Views

こんにちは、常見陽平です。

皆が気になる就活と学歴の関係についてお伝えしましょう。

結論から言うと、学歴差別(区別)はますます加速していると言えます。

ただし、ここで優遇されると言われている上位校の学生も完全に有利と言えるかというと、一概には言えません。
さらに、学歴上不利だと言われる大学に通っていても挽回は可能です。


a0002_003655.jpg



実は昔からあった学歴差別


 
まず、学歴差別は今に始まったわけではありません。

ジャーナリスト溝上憲文さんの『超・学歴社会』(光文社)は日本における学歴問題を捉えた名著なのですが、これによると明治30年代には既に大学ランキング表が作られていたとのこと。

大正時代になると、学校歴で出世するかどうかがすでに分かれおり、役員クラスになれるのは私学で慶應だけで、一橋は中堅幹部クラス、早稲田や地方の学校出身者などは出世もなかなかおぼつかない状況にあったそうです。

この頃と比較してもあまり意味はないかもしれませんが、今は自由に応募できる世の中になったものの、選考時の学歴差別(区別)は根強く存在します。

いや、むしろ、加速していると言えます。

特定の学校群しかセミナーの予約が取れない、選考に進めないということはよく行われていますし、上位校しか参加できないセミナーなどもよく開催されています。

ただ、学歴差別(区別)を行っておらず大学名も書かない選考をやっている企業でも、逆に上位校だらけになってしまい、本来の目的を果たさなかったという話もよく聞きます。



企業が学歴差別をしてしまう7つの理由


 
企業はなぜ、学歴差別(区別)に走るのでしょうか?
私は次の7つの理由によると考えています。

1.大量に応募する時代になり(就職ナビと、就職難による応募数増加などによる)、効率よく選考を進めるため
 
2.大学生の「質」に対する不安から(大学、学部が増え、少子化なのにもかかわらず進学率が上がり質が多様化したため)
 
3.難関校に合格したこと、大学で学ぶ内容(前提として上位校=勉強内容が高度という思い込みがある)、学ぶ仲間、伝統など、その大学に通っていることを評価するため
 
4.学歴がモノを言う仕事もあるため(コンサルタント、教育関係など) 
 
5.元々高学歴社員が多い会社であり、組織を維持するため
 
6.上位校人脈への期待(特に慶應、一橋は期待される)
 
7.「うちも上位校学生が入る会社になった!」というように、社内に刺激を与えるため

などによります。



では、上位校は果たして本当に優秀なのでしょうか?
選考に有利なのでしょうか?

これらに関しては、次の記事を参考にしてください。

上位校は本当に就活に有利なのだろうか?

学歴の壁を乗り越えるための5つのポイント

自分の現状を知って、どう対処するかが大事になってきます。
諦めずに頑張りましょう。


執筆者プロフィール

常見陽平

常見陽平

評論家
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、クオリティ・オブ・ライフ(現在:フェロー)を経てフリーに。
雇用・労働、キャリア、若者論などをテーマに執筆、講演に没頭中。
2015年4月 千葉商科大学に新設された国際教養学部の専任講師に就任。
著書多数。