現役社員が書いた本を読んでみる!業界・企業・職種研究の裏ワザ

2014.3.24  256Views

皆さん、こんにちは。常見陽平です。

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現役社員も本を書く



世の中には、実は現役の会社員が書いた本というものが存在します。
経営者の本はよくありますし、元社員のものもたまにありますが、普通の社員のものをあるのです。
「普通の」と書きましたが、本を出すだけあって、デキる社員、目立っている社員ではありますが。
社名を明記しているか、していないかという違いもありますが。

中身は、ヒット企画の裏側レポート、ご自身の仕事術やキャリアについてのものなどです。
特に多いのは仕事術ものですね。

これらの本は、業界・企業・職種を研究するのに有益だと言えます。
仕事の進め方、求められる力などをより具体的に理解できるからです。
就職ナビなどではわかりづらい、各部署、職種の役割分担、求められる力などがよくわかります。

もちろん、現役社員が本を書くというのは、社内の理解を得ることが大変です。
会社の機密に関わる話は当然NGですし、副業規定との関係もありますし。社内のチェックにより、内容が丸くなってしまうことも。
忙しいのに本なんか書きやがってと陰口を叩かれることだってあります。

直木賞作家朝井リョウはどこの会社の何者なのか?サラリーマンと副業、肩書きの微妙な関係 (アゴラ)

とはいえ、そこまでして書くのですから、それだけの情熱を持った人、会社を納得させるだけの実力の持ち主が書いていると言えますね。

企業そのものや、経営者に関する本もいいですが、現役社員本というのも有効な情報源ですね。


最近のオススメ現役社員本はこれだ



では、最近、オススメの現役社員本を2冊ご紹介しましょう。
2冊とも、たまたまですが、放送局勤務の現役社員の本です。

1冊目はその名も『会社にいやがれ (U25 Survival Manual Series) 』(神原一光 ディスカヴァー・トゥエンティワン)、
 

2冊目は『「ご指名社員」の仕事術: 「気がきく」「ギブ型」戦略で"声がかかる人"になる 』(柳内啓司 小学館)です。

 

いわゆるビジネス書なのですが、放送局での仕事、いや少し広げて、企画をつくる人の仕事の中身がよくわかります。
特に、相手に対する細やかな心遣いが描かれている点、なかなか通らない企画を通すためのコツなどがわかるのが良いと思います。

それだけでなく、一般的に社会人として気をつけるポイントなどが理解できます。
今まで書いてきたエントリシートがいかに滑っているか、確認するヒントにもなりますよ。

ここ数年、「自由な働き方」を論じる本が話題になりましたが、この2冊は会社員であることのメリットを説いています。
会社員であるからこそできる仕事についてふれてあるのが良いところだと思います。

放送局志望以外の学生さんも、ぜひ、手にとって頂けると嬉しいです。

個人的には、現役会社員本だと、次の本が好きです。

●『考具 ―考えるための道具、持っていますか? 』(加藤昌治 阪急コミュニケーションズ)


●『愛されるアイデアのつくり方 』(鹿毛康司 WAVE出版)


前者は仕事術寄り、後者は具体的な事例を通じて仕事魂を学べる本です。

ともに広告系の仕事の本です。
仕事魂というか、細かい部分までのこだわりというか、愛というか、そんなものを感じて私は好きです。

私も大手企業の現役社員時代に書籍を発表していますし、2012年の春までは、会社に所属しながら書いていました。
最近では入手困難なものもありますが、ぜひ、初期の著書もチェックしてみてください。

現役社員本で、社会人の仕事を体感しつつ、業界・企業・職種の理解を深めましょう。

執筆者プロフィール

常見陽平

常見陽平

評論家
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、クオリティ・オブ・ライフ(現在:フェロー)を経てフリーに。
雇用・労働、キャリア、若者論などをテーマに執筆、講演に没頭中。
2015年4月 千葉商科大学に新設された国際教養学部の専任講師に就任。
著書多数。