内定式もまた、「配活」の舞台である!見られていることを意識しよう

2013.9.30  3171Views

皆さん、こんにちは。常見陽平です。

a0002_002272.jpg

内定式は配属面談を兼ねている?


気づけば9月も終わりです。たくさんのニュースがあった1ヶ月でしたね。
私も仕事がいっぱいでしたが、なんとか乗り越えることができました。
修士論文の中間報告もありましたよ。学生の皆さんは新学期ですね。

さて、明日10月1日は各社で内定式が行われます。
この日をもって正式に内定者ということになります。
経営者なども登場して挨拶があったり、合わせて研修や懇親会があったりします。

そして、この内定式、実は「配活」の舞台でもあるのですね。

「配活」とは何か?今年から流行り始めている言葉です。
内々定が出た後、「希望通りの配属のために頑張る活動」のことです。

日本の雇用契約においては、配属先の部署、職種、勤務地は決まっていないことの方が多いです。
希望通りの配属を勝ち取るために、残りの学生生活でまた自慢できる体験を増やしたり、TOEICのスコアを上げたり、人脈づくりのために再度OB訪問をしたり、インターンやアルバイトで顔を売ったりするわけです。
まあ、今に始まった話ではありませんが、学生の中でじわじわ広がりつつあります。

内定式や、内定者懇親会、内定者研修はまた、配活の絶好の舞台です。内定者自身も自分を売り込むことに必死になったりしますし、内定者懇親会に参加する役員や部長クラスも、楽しい場でありつつも、自分の部署にピッタリの人材を探す場だと密かに考えていることも。
実際、懇親会などで明るく自己紹介を聞きつつも、内定者名簿をチラチラみたりするわけです。

お祝いの場だと思いつつも、配属をめぐる駆け引きは互いに行われているものです。


内定者は見られていることを意識する


配属というのは、個人の努力だけでは決まりません。
そもそもの、全社の方針や事業部の方針も影響します。
また、人事が決めるわけではなく、配属先の部署からの影響も受けます。
内定式で、行きたい事業部の部長と意気投合して「ウチにこいよ。人事には話を通しておくから」なんて言われることもありますが、配属の頃に彼が異動になるということも。

とはいえ、希望通りの配属にならなかったとはいえ、それで人生が終わるわけでもなく、意外な広がりを見せることもあるのですが。
ここで気をつけておきたいのは、希望を通そうと思い、力む気持ちもわかりますが、その前に、信頼をなくすようなことをしないということです。
内定者になった後でも、学生は人事から見られています。
萎縮する必要はないですが、内定者時代の粗相で評価を下げてしまうということはよくありますのでご注意を。

そして...。ないかと思いますが、炎上騒ぎなどを起こさないようにしましょうね。
内定者になった瞬間、◯◯社内定者の◯◯大学の学生が不祥事という問題になるわけで。
あなたが有名ではなくても、企業と大学に傷をつけることになりますからね。

いろいろと怖いことを書きましたが、学生生活も残すところあと半年。
配属にドキドキ・ワクワクしつつ、楽しみ尽くしましょう。

執筆者プロフィール

常見陽平

常見陽平

評論家
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、クオリティ・オブ・ライフ(現在:フェロー)を経てフリーに。
雇用・労働、キャリア、若者論などをテーマに執筆、講演に没頭中。
2015年4月 千葉商科大学に新設された国際教養学部の専任講師に就任。
著書多数。