学生から聞いた裏技!他大学を利用するという技をどう見るか?

2013.8. 2  3514Views

皆さん、こんにちは。常見陽平です。

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女子学生が女子大の友人を頼るという古典テク


今日は学生から聞いた裏技のご紹介です。

それは、他大学を利用するというものです。
非常勤講師をしている大学の学生から聞いた話です。
彼女たちのもとには、共学の大学に通っている友人から問い合わせが入るのだそうです。
ずばり「求人票を見せてほしい」というものです。
そう、女子大にきている求人票なら、女子を必ず採用するだろうというわけです。

なるほど、ありますね。長年ある古典テクニックです。

ちなみに、私が学生の頃は別の技もありました。
当時は、リクナビなどの就職ナビが本格的に立ち上がる前だったので、リクルートブックなどに代表される分厚い冊子で情報を探し、資料請求はがきで企業に資料請求をしていました。
しかし、この資料請求はがきは、大学名、学部名、男女により届く量が違ったのですね。
当時の『就職ジャーナル』などを読んでも、その頃就職活動をしていた方に聞いても、明らかに女子は届く数が少なく、同じ大学や他大の男性にはがきを分けてもらうという技を使っていたそうです。
実際、その資料請求はがきを使って、返信があったかどうかは謎ですが。

このように、女子学生にとって、他大学に頼るという技は今も昔もあるのです。

他大学の説明会に潜り込むという技


北海道の札幌市のある私大に通う学生から聞いた話です。
札幌の学生で、昔からよく使われている技は、北海道大学の学内説明会に潜り込むという手です。
北大には、たくさんの企業が学内説明会にやってきますからね。もちろん、北大さんは複雑な想いでしょうけど。

中には、学内セミナーをオープンにしている大学もあるとか。
ある市立大学は、「他大生でも、市民なら会社説明会への参加、歓迎」という方針を打ち出しています。

ターゲット校採用が進む中、また、就職ナビ依存が見直される中、企業においても学生においても学内セミナーへの期待が高まっています。
ただ、すべての大学が選ばれるわけではありません。
企業もすべての大学に入り込めるわけではないですし。

もちろん、他大学に勝手に入ることは、大学の努力を勝手に利用することについては感心しない方も多いことでしょう。
私も別にこれを推奨するわけではありません。
ただ、ここまでしなければならないという学生がいるという事実は知ってもらいたいのです。

就活時期の繰り下げが起こると、学内セミナーの実施時期が集中し、企業の側でのますますのターゲット校絞り込みが行われると懸念されています。
善悪、好き嫌いは別として、他大学を利用する学生は今後、増えて可能性はありますね。

執筆者プロフィール

常見陽平

常見陽平

評論家
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、クオリティ・オブ・ライフ(現在:フェロー)を経てフリーに。
雇用・労働、キャリア、若者論などをテーマに執筆、講演に没頭中。
2015年4月 千葉商科大学に新設された国際教養学部の専任講師に就任。
著書多数。