社会人をイラっとさせないためのコミュニケーションのコツとは?

2013.5.24  2774Views

皆さん、こんにちは。常見陽平です。
 
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社会人と会えばいいというものでもない


 
昔も今も、納得のいく就活をする学生は、社会人との接点があるという法則があります。
OB・OG訪問もそうですが、ゼミやサークルの先輩との交流、アルバイトやインターン、ボランティアなどで社会人と一緒に働く経験があるかどうかもポイントです。
 
とはいえ、社会人に会えばいいというものではありません。
甘やかされている人も多いのではと感じます。
まあ、ちゃんと指導してくれる社会人もいるわけで、最初は粗相もしながら成長していくのですが。
叱られずに放置されていて、不愉快な態度をまき散らしている学生もいます。
 
最近はソーシャルメディアが広がり、社会人とも会いやすい環境になりました。
もちろん、就活は説明会、選考など社会人と会う機会は多いです。
意識するべきコミュニケーションのコツを考えてみましょう。
 

その言い訳は聞きたくありません


 
朝から学生から不愉快なメールが届きました。
現在、企画中の講演会の件です。
 
「担当の◯◯が資格試験の準備により連絡がとりづらくなってしまったため、私が担当します」
 
という一文があったのです。
私がやや細かいのかもしれませんが、これはマナー違反だと感じます。
というのも、「担当の◯◯が資格試験の準備により連絡がとりづらくなってしまった」というのは私にまったく関係ない事情だからです。
 
普通に、「ご連絡が遅くなり申し訳ございません。担当だった◯◯にかわり、私が担当します」
でいいじゃないですか。
 
このように、大人は自分に関係ない事情、言い訳を話されると不愉快になるものなのです。
 

結論を最初に言う、手短に言う


 
6社の最終選考に進み、数社から内定が出て、この春総合商社に入社した早稲田大学の男子学生はこう言います。
 
「高校の野球部の先輩から、最初の15秒で要件を手短に言うようにしろと言われ、それを愚直に守りました」
 
そう、これは社会人とコミュニケーションする際に絶対に意識したいポイントです。
結論から先に言う、手短に言うというわけです。
 
前置きが長い、何を言いたいのか分からない話をする学生は、申し訳ないのですが、イライラします。
そんな学生が、「自分の強みはコミュニケーション能力」なんて言い出すと笑うしかないのですが。
 
なお、手短に言うのと、漠然というのは違います。具体的な言葉で手短にいきましょう。
これはメールも同じです。
冗長に書かれても、読めません。
長くても1画面を意識したいですねえ。
 

「かわいらしさ」を意識する


 
一方、これはある意味、学生らしさ、若者らしさが期待されるところなのですが...。
「かわいらしさ」というのは大事です。
 
毎年、不愉快なのは、エントリーシート締め切り直前に挨拶文もなく、「このエントリシートを明日までに添削してほしい」なんていうメールがきます。
カチンときます。
私、たいていのメールはなんらかの返信をする人なのですが、この手の依頼は意思を持って無視します(そもそも、私、いまは学生のエントリシートの添削は絶対にしません)。
 
依頼するにしても、なんて自己中心的でかわいげがないんだろうと思うのです。
なにより、かわいらしくないなと感じます。
 
ちゃんと挨拶をして、もっと余裕をもって、丁寧に相談してくれたら、まだかわいげがあるなあと感じるのですが。
かわいらしさと言えば、言ったことをすぐ実行してくれた人、報告してくれる人はかわいらしいですね。
 
「講演で推薦していた本、さっそく読みました。感想は...」
「さっそく◯◯を実行してみました」
 
など言われると「かわいいな」と思うものです。
 
まだまだありますが、まずはこの3点、意識してみましょう。
 

執筆者プロフィール

常見陽平

常見陽平

評論家
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、クオリティ・オブ・ライフ(現在:フェロー)を経てフリーに。
雇用・労働、キャリア、若者論などをテーマに執筆、講演に没頭中。
2015年4月 千葉商科大学に新設された国際教養学部の専任講師に就任。
著書多数。