18歳からの「本を読む技術」

2011.10. 4  887Views

こんにちは。常見陽平です。




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本を読むにもコツがある




突然ですが、皆さんは本を読んでいますか?


本は大変貴重な情報源です。


大学とは何か?


様々な答えがありますが、私は自分の人生を強く生きるために、思い悩みつつ生き方を考え、
自分を鍛える場だと考えています(別に就活のためと言っているわけではありません)。


でも、人間の時間は有限です。
だから、先人に学ぶのです。
本なら著名人、その道のプロ、歴史に名を残した人物が考えたことなどを、数百円で読むことができます。
費用対効果も非常に高いのです。


ところで皆さんは本を読んでいますか?
読書術について悩んでいたりしませんか?


先日、早稲田大学にて読書と執筆に関するワークショップを開催しました。
今日は読書編について、ポイントを共有していきます。




読む技術のポイント






1.円グラフで図書分析をして、読むべき本を考える


大学に入ってからどんな本を読んできたのか、読書の傾向をおさえましょう。
どんなジャンルの本を読んでいるか、円グラフにしてみましょう。


さらに、最も大きなシェアの項目について、より細かいジャンルで言うならばどんなものが多いか、
どんな著者が多いかを分析してみましょう。


自分の読書のクセが見える化され、自分の好き嫌い、興味関心、
読まなければならないのに避けているものなどが明らかになります。




2.読みたい本をマトリクスで分類する


本は自分の好きな分野だけでなく、専門外のものも読むべきです。
一見関係ないと思っている分野でもなんらかのかたちでつながってくるものです。
「専門分野」「専門外の分野」という軸と、「新しいもの」「古いもの」という軸でマトリクスをつくり、
今、何を読みたいかを書きだしてみましょう。




3.自分の.読書ナビゲーターを持つ


読むべき本については、自分だけでなく、ナビゲーターとなる人やツールに助けてもらうのもあります。
個人的には、書店や図書館で何がオススメされているか(特に旧作の展示は参考になります)、
書評系ブロガーがすすめるもの、教授や書店員さん、図書館スタッフに直接聞くなどすると良いかと思います。




4.読書への「投入量」を決める


1ヶ月にどれだけの時間とお金をかけるか、決めてしまいましょう。
学生だと月1万円ですかね。
さらに、その本を読むのに何分かけるかを決めるとよいです。
新書で2時間、ビジネス書で3時間、学術書は5時間などというように。




5.深読みする


やや文学部の学生的手法ですが、その本だけでなく、
著者がどんな人か(もっと言うと、人生のどの時期に書かれたか)、
時代背景はどうなっているか、
その著者や本と対になる意見はどんなものかなどを考えるとより理解が深まります。




6.必ず「アウトプット」する


読みっぱなしはよくありません。


最初は好き嫌いのレベルからで構わないので、感想を書きましょう。
「自分はどう思うのか」これ大事です。
最近ではメディアマーカーブクログブクペなどのツールもありますし、各種通販サイトにもレビューコーナーもあります。
ブログやTwitterでもいいでしょう。


別に公開しなくてもいいので、必ず感想をまとめます。


さらに、その本から学んで、活かせることは何かを考えます。
これは別にビジネス書でなくても、
歴史や文学でも、自分の普段の生活で気をつけるべき教訓は抽出されるはずです。




7.読書は「連続ドラマ」であること、「再放送」も大事であることを意識する


読書はどこまでも続きます。
連続ドラマなのです。


次に何を読むべきかを考えます。
まぁ、手っ取り早いのはその著者の前後の本ですね。
あるいは、著者が影響を受けた本、参考文献などに出ている本という手もあります。


そして、読書は「再放送」も大事です。


同じ本でも人生のステージ、学びの進み度合いによって解釈は変わります。
同じ本を何度も読むのもポイントですね。
ちなみに、私は村上春樹の『ノルウェイの森 上 (講談社文庫) 』は何回読み返したかわからないくらい読みました。


次回は書く技術についてお届けしますね。お楽しみに。

執筆者プロフィール

常見陽平

常見陽平

評論家
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、クオリティ・オブ・ライフ(現在:フェロー)を経てフリーに。
雇用・労働、キャリア、若者論などをテーマに執筆、講演に没頭中。
2015年4月 千葉商科大学に新設された国際教養学部の専任講師に就任。
著書多数。