「DQNネームだから選考に落ちる」はあり得るのか?

2011.5.17  5013Views

こんにちは、常見陽平です。




DQNネームで落ちる...?






アメーバニュースでこんな記事を読みました。
2ちゃんねるで、「DQNネームの弊害を目の当たりにした!」というスレッドが話題になっているようです。
今日知ったのですが・・・。DQNネームとは、「漢字が読めない名前」のことだそうで、
最近は「キラキラネーム」とも言われるらしいです。


例えば、宇宙(そら)のように、限りなく当て字のような名前ですね。
DQNネームのまとめサイトまであるのですね。


宇宙(そら)、咲愛(ふう) 、薫音(かのん)など、様々な名前があるようです。
他にも「芸能人と一緒」「難しい漢字使いすぎ」なども広義のDQNネームだと言えるでしょう。


この記事によると、有名大学に通っており、
イケメンにもかかわらずES(エントリーシート)すらも通過しない就活生がいて、
DQNネームのせいではないかと疑問に思っているようです。
リンク先の記事をみて頂くとわかるように、実に多様な意見が出ていますね。


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落ちることがありうるのか?常見陽平の見解








さて、「DQNネームで落ちる」ことはあり得るのでしょうか。
私の見解です。


結論から言うと、「DQNネームだから落ちることはあり得ない」です。




ただ、今、大学生くらいの年齢でDQNネームの方は個性の強い親の元に育ち、
結果として本人も個性が強すぎると解釈され、応募先にマッチしないのではないかというのが私の推測です。


現在、就活をしている学生は、大学に現役入学している場合、89年~90年に生まれています。
親は新人類と呼ばれた世代ではあるものの、
当時の世の中はまだ「一億総中流」という言葉があった時代であり、
まだまだ保守的だったと感じています。


この時代に、変わった名前をつける親は、かなり個性が強い方だったのではないかと考えます。
その親の元、自由奔放な教育方針で育ったために、
結果として個性が強すぎて、応募先との相性が悪く、避けられてしまうのではないでしょうか。
名前からそう判断する人事がいる可能性は否めませんが。
また、この記事には「ESが通らない」とありますが、
実はESは素晴らしい内容のものを書き上げたところで、通るとは限らないのです。


WEBテストなどとセットで判断されており、点数が低い場合は問答無用で落とすことも。


点数が高くてもその企業の求めるタイプとマッチしない場合は、そのESを読まずに落とすことすらあります。
また、「有名大学」とありますが、企業によってはその中でもかなりバーを上げていることもあります。


もちろん、この方とお会いしたわけではないですし、
選考で落ちた真相は状況をみてみなければわからないのですが。










私も陽平という、当時としては比較的変わった名前で、名字も常見。
両方珍しく、幼稚園、小学校時代は「キツネ目さん(実際、眼が細いです)」「よう屁」とからかわれたこともあったわけですが。
とはいえ、名前というのは親が何らかの想いを持って名付けたものです。


そして、就活は相性なのですね。あなたを評価する企業はきっとあります。


名前のことで悩まず、「自分を評価しない会社はかわいそうだ」くらいに思って、
自分が輝ける場所を探してみてはいかがでしょうか。


執筆者プロフィール

常見陽平

常見陽平

評論家
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、クオリティ・オブ・ライフ(現在:フェロー)を経てフリーに。
雇用・労働、キャリア、若者論などをテーマに執筆、講演に没頭中。
2015年4月 千葉商科大学に新設された国際教養学部の専任講師に就任。
著書多数。