「就活と恋愛は一緒」では就活中の恋愛をどうするか?両立するためのコツとは?

2010.12.24  31820Views

こんにちは、常見陽平です。


今日は、内定に直結する話ではなく、就活中、誰もが薄々気になっている「恋愛」との両立について書きたいと思います。


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就活中の恋愛はどうするの?


 
ある大学で、内定者によるパネルディスカッションの司会を担当したときのことでした。
内定者の1人が「就活は恋愛と一緒だ」という趣旨のコメントをしました。
このコメント自体は誰でもよく言うことであり、私も採用担当者時代、大手企業の人事勢揃いのパネルディスカッションで年配の人事担当者がこのセリフを言ったときには、
「お前、その歳でまだ恋愛かよ・・・」と心の中でつぶやき、毒づいたものです。
ただ、これに対する3年生からの質問が秀逸でした。

「就活と恋愛は一緒と言いますが、では、就活中の恋愛はどうするのですか?」

この質問に会場はわき、内定者からの答えによりさらに盛り上がりました。
3名中2名に就活中交際相手がいたのですが、男子学生1名は見事に両立し、女子学生1名は就活中に別れてしまったとのことでした。
うーん、見事に明暗を分けていますね。

両立に成功した男子学生のポイントは、
「すまん、この時期は会う回数が減りそうだから。理解して」
と最初に宣言していたとのこと。
また、「就活を通じて今までの信頼関係が試される」と考えていたようです。
恋愛に限らず、
「夏までに必ず就活を終わらせる。そのためのスケジュールを意識する」
ことにもこだわっていました。

結果として、4月に内定が出て、就活も早く終わらせることができました。



就活中・その後に起こる破局パターンとは...?


 
一方、私も就活を通じて破局を迎える学生カップルを多数目撃してきました。

現在は航空会社でグランドホステスとして働いている女性はこう言います。
「サークルの同期と交際していたが、就活中に、実はこの人は将来のことを考えていないのではないか?甘いのではないか?」
と考え、別れてしまったと言います。

似たような事例は枚挙に暇がありません。
就活悪者論がメディアで日々話題になりますが、でもこれは成長の機会でもあります。
ただ、マインドが高まるが故に「この人と交際していて大丈夫だろうか?」と、今までの交際相手に対して疑問に思うことも。
このような「女子学生が仕事に目覚めて、今までの交際相手と釣り合わなくなる」
このパターン、多いですね。

他にも会う時間の絶対数が少ないこと、価値観の違いが明らかになることも就活中に別れてしまう原因です。

就活が終わった後も油断は禁物です。
最近は、企業は内定者懇親会、内定者研修などに力を入れています。
「類は友を呼ぶ」「同魂異才」という言葉がある通り、内定先が同じ人は同じような価値観を持っているわけです。

また、様々な大学から内定者が集まるので、自分の大学にはいなかったタイプの人との出会いも。
さらには、先輩社員との出会いだってわるわけですよ。
自分の交際相手が取られてしまうリスクを意識するべきです。

「初ボーナス破局」もよく起こる問題です。

「初ボーナス破局」とは何か?説明しましょう。
入社して最初のボーナスが出る6月頃(ちなみに、最初のボーナスは在籍期間が少ないので、期待しちゃだめですよ。雀の涙とはこういうことかと実感しました)、仕事が忙しくなる、会う時間が減る、仕事に目覚めてしまい今までの交際相手が物足りなくなる、価値観の違いが明らかになるなどの理由で、この時期に別れてしまう人が多いのですよ。

就活は学業を阻害すると言いますが、就活による恋愛阻害も起こっていることを意識したいところです。


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就活から始まる恋愛もある


 
一方、就活で始まる恋愛もあります。

インターンにしろ、説明会にしろ、選考にしろ、学生同士、あるいは社員と出会う場でもあります。
大手広告代理店に勤める友人は、あるテレビ局の筆記試験を受ける際に、消しゴムを借りたことがキッカケで出会い、その後、交際を続け結婚しました。
他にも、内定先の先輩社員と交際が始まるケースも。
中には、採用担当者と結婚した例も。
最近では、「就活ナンパ」をする学生もいるわけですが・・・。



就活と恋愛を両立させる5つのポイント 


 
では、就活と恋愛を両立するにはどうすればいいのでしょうか?
ポイントを整理してみました。


1.将来のビジョンについて真面目に話し合う

将来をどうしたいか、価値観、職業観について話し合うとズレがなくなります。
まぁ、これが破局のキッカケになることもありますが。


2.予定を開示する

いま、どれだけ忙しいのか、予定をガラス張りで開示しましょう。
これは信頼アップにもつながります。
ちなみに、我が家の夫婦円満の秘訣は、手帳に書いてある予定を全て妻に見せていることです。


3.時間を確保する

会う時間、メールするタイミング、デートをするタイミングなど、予定をスケジュールに入れてしまいましょう。
もちろん、選考が忙しい時期は流動的になるわけですが。


4.内定後の楽しいイベントを考える

「内定後は一緒に旅行に行く」など、内定後に一緒にすることを考えるとモチベーションは上がります。


5.お互いにポジティブな応援団であり続ける

ポジティブに応援し続けることは大事ですね。
就活にしろ、その後の仕事にしろ、上手くいかない人はネガティブな交際相手、友人とネガティブな話しかしていない人が多いです。
相手にとってポジティブな応援団であることを意識しましょう。



いかがでしたか?
まぁ、就活はオトナの世界に目覚めるキッカケでもあります。
いろいろありますが、前向きにいきましょうよ。
さぁ、未来について考えてみますかね。


執筆者プロフィール

常見陽平

常見陽平

評論家
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、クオリティ・オブ・ライフ(現在:フェロー)を経てフリーに。
雇用・労働、キャリア、若者論などをテーマに執筆、講演に没頭中。
2015年4月 千葉商科大学に新設された国際教養学部の専任講師に就任。
著書多数。