学生の就活ITツールは、進化している?

2013.12.16  616Views

皆さん、こんにちは。常見陽平です。

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リクナビが新ツールだった頃


今週、企業の採用担当者と話題になったのは、昨年とくらべてエントリーは増えたか減ったかという話です。各社悲喜こもごもの様子です。
今年はリクナビもマイナビも掲載社数が大幅アップ。サイトのアクセス数も増えたわけですが、一方で、社数が増えると1社あたりの応募も減るおそれがあるわけで。また、就活が始まったばかりの頃は大手中心に応募が集まるわけで。

リクナビさんの初速データでは、全体のエントリー総数は前年比128%。
大手企業に偏ったエントリーの傾向で、従業員数5,000人以上の会社への1社あたりエントリー数は1.6倍になっているとか。まあ、スタートしたばかりの頃は、大手企業中心に目を向けないですし、ね。掲載件数のアップは、営業の努力とも言えますし、求人が回復しているからとも言えるでしょう。

学生の皆さんは...。企業の採用担当者も、このようにデータをみて、どうやって欲しい学生からのエントリーを増やすか、あれこれ考えているということを覚えておいてください。

ふと気付きました。ネットの時代になって、このようにすぐにデータを把握できるのだということを。
就職ナビが登場したのは90年代後半です。当初は会員数も少なく、新ツールだったわけですね。そもそも、インターネット自体、新ツールでした。ちょうど私が就活をしていた90年代なかばに、感度の高い学生を中心に広がっていきました。携帯電話が学生に普及したのも、その頃ですね。

というわけで、就活の歴史、特に90年代後半以降の歴史は、ITツールの進化の歴史でもあるのです。


就活生の使うグッズ今昔物語 そして、変わらないこと


思えば、この10年間、就活生が使うツールはどんどん変わりましたね。それが就活の光景を変えているとも言えます。

私が人事をしていた00年代半ばは、企業説明会などでよく見られたのは、就活生同士で、携帯電話の赤外線通信機能で連絡先をやりとりする様子です。そして「マイミクしていい?」というやりとりですね。

00年代後半からは、これがTwitterのアカウント名や、Facebookの名前の友だち申請許可になり、最近ではLINEのIDになっていますね。

ツールといえば、00年代後半、学生がよく持っていたのは、ネットブックと言われる安くて小さいPCでした。ASUSなどが出しているやつですね。これが、最近ではスマホになり、さらにタブレットになっています。

たしかに、これらのツールがあれば、空いている時間に情報を集めたり、メールのやりとりをしたり、何かと便利です。私も、スマホやタブレットを持つ前は、「ノートPCがあるからいいや」と思っていたのですが、直感的インターフェース、通知機能などなど、あると何かと便利です。

進んでいる就活生は、これらを使ってSkypeでやりとりしたり、EVERNOTEなどに記録したり、その情報を友人とシェアしたり。もちろん、各種ソーシャルメディアも使います。
というわけで、ツールの進化で就活はどんどん快適になっていきます。

とはいえ、これからも変わらないであろうこともあります。それは、結局、人間が就活をするということでしょうか。そして、ツールがいくら進化しようと、結局、自分自身が問われるということです。

さて、5年後、学生はどんなツールを使って就活しているのですかね?

執筆者プロフィール

常見陽平

常見陽平

評論家
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、クオリティ・オブ・ライフ(現在:フェロー)を経てフリーに。
雇用・労働、キャリア、若者論などをテーマに執筆、講演に没頭中。
2015年4月 千葉商科大学に新設された国際教養学部の専任講師に就任。
著書多数。