私が「拡散希望」が嫌いな理由、伝わるコミュニケーションとは何か?

2012.5.30  4980Views

皆さん、こんにちは。常見陽平です。




学生団体が乱発する「RT希望」「拡散希望」は本当に失礼




ずっと言い続けてきたことですが...。
私、Twitterでよく見かける「RT希望」「拡散希望」が苦手なのです。
Facebookの「シェアをお願いします」もそうですね。
たまに、「この記事をRTしてください」とメンションをくれる方もいますが、これもちょっと...。


もちろん、私もTwitterを始めた初期は、そういうことをしていた時期もありました。
でも、これ、ソーシャルメディアの道義上、失礼だと思うのですよね。
そうしたいと思うかどうかは相手次第なわけで。
だいたい、RTしたら品性を疑われそうな寒い企画をRTしてくれというのはエゴだと思うのです。


まずは、応援したくなる企画、RTしたくなるツイートをするべきだと思うのですよ。
まぁ、それができないからそうしているんでしょうけどね。


実は安易なRT希望、拡散希望は失礼だということ、信用を失っていることに気づいて欲しいです。
もちろん、ソーシャルメディアのルールやマナーは、今も模索中で、これという風に決まっているわけでもないのですが。


ただ、やっぱり雑だなって思うんですよね。
残念です。




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コピーライターの「伝わる」コミュニケーションに学んでみる




ソーシャルメディアでの発信にしろ、ゼミでの発表にしろ、就活のエントリーシートにしろ、学生の皆さんに学んでもらいたいのは「伝わる」コミュニケーションとは何かということです。


「伝える」ではなく「伝わる」です。


電通のコピーライターに直接教えて頂いたのですが、コミュニケーションの方程式は「誰が」「誰に」「何を」「どう」です。
これを考えぬくことが大事だな、と。


また、伝わるためには、自分はその人に何を伝えたいのかを考えぬく必要があります。
そのために、要するに何を言いたいのかをひたすらそぎ落としてとがらせるとよいですね。


さらに言うならば、不特定多数に話しかけるにしろ、誰にどんな反応をしてもらいたいのかを考えるべきです。


私も文章を書くときや、講演をする際は、もっとも反応してくれるのは誰で、どんな反応をしてもらうかということを考えて発信します。
それこそ、「Aさんは熱心に反応してメモをとるけど、Bさんはスルー、でも、それでかまわない」くらいに具体的に考えます。
この「そぎ落とす」「しぼる」ことは、伝わるコミュニケーションのコツだと思います。


と、偉そうに言っている私ですが、執筆も講演も、もうかなりの期間やっているにも関わらず、まだ模索中です。


私自身ももっと伝えたいことを絞る必要があると思っています。






やや話が拡散してしまいましたが、伝わるコミュニケーションとは何かに興味がある皆さんにおすすめのイベントがあります。


6月1日に東京コピーライターズクラブ主催の、897人のコピーライターによる「マイベストコピー」が集結する「コピーパレード展」というイベントが開催されます。
入場は無料です。珠玉のキャッチコピーがいっぱいです。


キャッチコピーというと、いかにもクリエイティブな人が創る芸術作品のように思うことでしょうが、そうでもないです。
実はどうやったら伝わるか、そぎ落として考えたものなのですね。
関東在住の皆さん、せっかくなので、ふらりと行ってみましょう。


伝わるコミュニケーション、意識しましょうね。


執筆者プロフィール

常見陽平

常見陽平

評論家
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、クオリティ・オブ・ライフ(現在:フェロー)を経てフリーに。
雇用・労働、キャリア、若者論などをテーマに執筆、講演に没頭中。
2015年4月 千葉商科大学に新設された国際教養学部の専任講師に就任。
著書多数。