まず、不祥事を起こさない!ネットの発言は最悪のリスクを考えよう

2011.7.25  11749Views

こんにちは、常見陽平です。


最近、学生の不祥事がネットでバレて大炎上という事件がよくありますね。


特にTwitterでの不謹慎な発言→Twitterで拡散→2ちゃんねるで大炎上→まとめサイトに掲載
という流れが多いですね。


この数ヶ月でも、東大や上智の学生、東海エリアの女子大生の飲酒運転事件などが発覚しましたね。
東大では学生に注意を促す通達がありました。
他にも法政大生がなでしこジャパン熊谷選手との合コンを実況中継して大炎上という事件もありましたね。
その少し前だと、百貨店に内定している学生がTwitterで女性蔑視的な発言をしたり、
大手電機メーカー内定者が友人にホームレスの格好をさせた映像をYouTubeにアップして問題になったことも。
学生のネット大炎上事件は後を絶ちません。


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なぜ、無名学生の不祥事がバレるのか?




問題を起こした学生がいかに不謹慎かという話は後でするとして、
そもそも、なぜこんなにも事件が発覚するのでしょうか。


ここで意識したいのは、ネットは露出社会であり、相互監視社会であるということです。


あなたは、自分のTwitterのフォロワーを全員言えますか?
まぁ、50名くらいならわかるかもしれませんが、それをこえると分からなくなると思います。
もっと言うと、自分の友人のフォロワーを言えますか?
分からないですよね?


ここなんです。


自分のツイートに友人がコメントしたり、リツイートしたものを他の友人が読んでいる可能性があります。
さらに、Twitterには「検索」機能が。


これはまったくの推測ですけど・・・。
おそらく、毎日Twitterやブログに対して「飲酒運転」など不祥事系のキーワードで
検索をかけている人がいるのではないでしょうか?
学生の不祥事(特に有名大学の在学生や、有名企業の内定者)は皆が飛びつくネタなのです。
そして、この手のネタは例えば前述したとおり上智大学で不祥事があった場合は
「早慶ではどうだろうか」「東大はどうだろうか」「関西の有力大学ではどうか」と皆、探し出すものなのです。
不祥事ネタではないですが、芸能人などの熱烈なファンはやはり少しでも早く情報をキャッチするために、
その人の名前で毎日検索をかけています。
悪口を言っている人を発見したら、そのブログのコメント欄を仲間と一緒に荒らすことも。


「検索」に関して言うならば、企業の関係者もよくネットで自社名や商品名を検索していることを覚えておきましょう。
自社の評判はどうか、悪い噂が立っていないかを調べるわけです。
採用担当者も、セミナーや選考に関する反応を検索します。選考が進んでくると学生の名前を検索することも。
もちろん、それだけで判断するわけではないですが、ここで学生の意外な側面を発見してしまうことも。
話は戻りますが、まぁ、不祥事に限らず、ネットは相互監視社会なのですよねぇ。
TwitterやFacebookでサボっていることがバレた人、浮気がバレそうになった人、
企業の機密情報をつぶやいて厳重注意を受けた人は実際いるわけです。
中には実名でのTwitterが禁止になっている企業も(実話です)。


まず、この露出社会、相互監視社会であることを意識したいです。




炎上は連鎖する


「でも、私はTwitterを匿名でやっているからバレないと思う」
という方もいるかと思います。
でも、これも危険なんですよねぇ。
一人でもリアルで知っている友人・知人がプロフィールを公開していたら、そこからバレることも。
Twitterで隠していても、Facebookやmixi、さらにはサークルのサイトなどで特定されることも。
「問題となったエントリーを削除すればいいでしょ?」
という方もいるかと思います。
うーん、これもまた違うんですよねえ。
「魚拓」と言って、その投稿などのスクリーンショットを保存し、
ブログなどで公開したり、まとめエントリーがつくられることも。
「私のブログは、コメントを承認制にしているから大丈夫」


という人もいるかもしれないでしょう。
コメント欄がなくても、2ちゃんねるのスレッドやはてなブックマークで炎上することも。
個人が特定された場合は、所属団体にリアルな抗議電話や嫌がらせがあることも・・・。


前述したとおり、Twitterでの不謹慎な発言→Twitterで拡散→2ちゃんねるで大炎上→まとめサイトに掲載という流れで炎上は連鎖していきます。


まず、不祥事を起こすな


もちろん、「若者の不祥事をなんでもネットで叩くのはどうか?」という声があることもよくわかります。
ちょっとした悪ふざけレベルだったら「学生だから」で許されるかもしれません。
「楽しい下ネタ」と「セクハラ」の境界線のように、グレーなものもあるでしょう。
ただ、これらのことが相手にどう思われるかは意識してください。


まずは、当たり前ですが、法に反することはやめるべきです。


特に飲酒運転。


これにより、どれだけ命が失われているかを知っているのでしょうか?


ネットでは「見られている」ことを意識しよう


よく言われることですが、リアルであれネットであれ、「見られている」ことを意識してもらいたいです。
社会人になるということは、社会で生きるというわけで、言動には責任を持たなければならないのです。
特に所属団体に迷惑をかけることを意識して欲しいです。


ネットでの発言については言うまでもなく、最悪のリスクを考える。
周りがどう思うかを考えるべきですねぇ。
もちろん、そんなことを言っていると何も言えなくなるという意見もあることでしょう。
私は主張は大事だと思っています。
それと不愉快な悪ふざけは違います。


というわけで、皆さん、普段からリアルでも、ネットでも言動には一歩踏みとどまって冷静になる勇気を持ちましょうね。

執筆者プロフィール

常見陽平

常見陽平

評論家
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、クオリティ・オブ・ライフ(現在:フェロー)を経てフリーに。
雇用・労働、キャリア、若者論などをテーマに執筆、講演に没頭中。
2015年4月 千葉商科大学に新設された国際教養学部の専任講師に就任。
著書多数。