学生の皆さんへ こんな時こそ、立ち止まって考えよう

2011.3.16  1300Views

こんにちは、常見陽平です。






大震災が起きて、改めて普段の幸せを噛み締める




3月11日(金)14時46分、M9.0という観測史上最大の東北地方太平洋沖地震が発生し、
東日本を直撃しました。大津波が発生しました。
死者・行方不明者の数も増え続けています。
そして、福島の原発で事故が起こり、緊迫した状態が続いています。


災害の影響を受けた方、最愛の方を失った方に哀悼の意を捧げるとともに、心よりお見舞い申し上げます。


その日、私は赤坂エクセルホテル東急のカフェで、ある新聞社の方と、
もう1つの勤務先である実践女子大学の教授と打ち合わせをしていました。


揺れた瞬間は、正直なところ「また地震か」くらいに思っていました。
しかし、揺れが止まりません。揺れも大変強いです。
さすがにまずいと思い、荷物をまとめて外に出ました。


携帯電話のワンセグや、ホテルのロビーのテレビで改めて事態の重大さを知り、
被災地の様子を見て驚きました。
携帯電話もつながりにくくなる中、
たまたま持ち歩いていたノートPC+イー・モバイルで妻と連絡をとり、新橋で合流。
復旧した地下鉄と徒歩でなんとか自宅に帰ることができました。


直接被災した方に比べるとかなり贅沢な環境にあるかと思いますが、
私が住む東京でも停電や、電車の本数の大幅な見直し、スーパーなどでの品薄が発生しています。
ガソリンスタンドの前もひどい渋滞です。
ビジネスのアポもどんどん予定変更が行われています。


これだけの究極的な事態が起こると、
今まで自分が当たり前だと思っていたことが実に特別だったかがよく分かります。
普段議論していたことも「贅沢すぎた平和な日常」を前提としていた牧歌的なものだったと感じられます。




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採用活動については、各社が対応中








これに伴い、採用活動においても、スケジュールの変更などが発生しております。


3月中の新卒採用に関するイベントなどをすべて延期した企業などの情報が
皆さんにも入っているかと思います。
リクナビでも大震災による採用活動の対応をまとめたページができました。




また、HRプロ株式会社が採用担当者に対して行った調査によると、
速報値では


1位:選考時期全体を遅らせることを検討 35%
2位:選考時期は変えない 24%
3位:被災者の地域のみ特別に選考時期を遅らせることを検討 18%


(出典:「東北地方太平洋沖地震による危機管理及び新卒採用に関しての情報共有・交換アンケート」HRプロ株式会社)


という結果となっております。各社とも被災した学生などに対する何らかの対応は検討している模様ですが。


中には、人事の対応が遅く、イライラしている方もいらっしゃるかと思います。
確かに、中には明らかに学生に対して配慮がかける企業もありますが、ちょっとだけ冷静になってください。


人事担当者の中には採用業務だけでなく、従業員の安否確認を始め、
全社としての対応に駆りだされている人もいます。
私も採用担当者をしていましたが、管理部門勤務というのは、そういうことです。
もちろん、それも含めて「学生向けの対応が後手後手になっている会社はどうなんだ」と思うところはあるかと思いますが、
相手の立場で考えて、少しだけ気持ちを優しくしてみてください。


あまりふれたくはないですが、震災による採用計画の変更も気になるところではあります。
採用数は回復傾向だったのですが、今回の件が影響を与える可能性は否定できません。
大変な状況ではありますし、諸事情よく分かりますが、
企業には未経験の若者の可能性にかけることを期待したいと思います。






今、就活生がするべきこととは何か?








さて、就活生(被災地以外の)がいまするべきことは何でしょうか?


間違いなく「冷静になること」ですね。
命なくしては、就活どころではないわけです。


災害関連について、情報をキャッチしつつ、でも流されず、状況を冷静に把握することです。
また、万が一のことが起こった場合の災害対策もしっかりしておきましょう。


悲惨な報道を見聞きする過程で、いつの間にかストレスもたまっているかと思います。
時にはテレビを消す勇気も必要です。


人と会ってコミュニケーションする機会を増やしていきましょう。
学生によるボランティアの呼びかけも行われていますが、現状で現地に行くのは大変危険です。
まずは節電と募金からいきましょう。










こんなときこそ、立ち止まって自分の将来のこと、自分が大切にしたいことを考えてみましょう。


また、これからの日本をどうするか、そのためにやらなければならないこと、
できること、やりたいことを考えてみてください。


日本が、日本人が問われています。
でも、きっと、日本は復興すると信じています。
希望をつくりましょう。


応援しています。

執筆者プロフィール

常見陽平

常見陽平

評論家
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、クオリティ・オブ・ライフ(現在:フェロー)を経てフリーに。
雇用・労働、キャリア、若者論などをテーマに執筆、講演に没頭中。
2015年4月 千葉商科大学に新設された国際教養学部の専任講師に就任。
著書多数。