障がい者のきょうだいを持つ学生が就活するうえで考えるべきこと

2015.12.18  870Views

自分の身内に障がいをもつ人がいるとき、自分の人生観や働き方に影響することがあります。身近で苦労する親や、誰かの支援を必要とする障がいを持つ身内がいたとき、なんとか力になりたいなという気持ちを抱いているきょうだいも多いでしょう。

しかし、その気持ちから福祉や教育の分野での就職を考えている人は、一度本当に自分の望む進路なのか考える機会を設けるといいでしょう。身内に障害をもつ人がいる場合、福祉や教育の分野を志望すると、周りから「偉いね」などのポジティブな反応が返ってくることが多いです。また実体験から話すことができるため、志望動機が分かりやすく説得力のあるものになりますが、志望しやすいことが必ずしも自分が満足感をもって働ける仕事とは限りません。

そこで今回は、障がい者のきょうだいが自分の望む進路を考えるうえでやってみるといいことを2つご紹介します。


1.「障害の身内がもしいないとしたら、自分は何をしたいのか?」と自分自身に問いかけてみる


障がいを持っている身内の存在を一旦忘れてください。

そして自分が何をやりたいのか、どんな自分でありたいのか、想像力に任せて思いを馳せてみてください。そこで浮かび上がった将来のイメージの中に、もしまだ教育や福祉に通じるものがあるならば、ぜひそうした分野を志望してください。けれどももし将来のイメージの中に教育や福祉に通じる要素が浮かび上がってこないのであれば、他の分野にも目を向けてみるといいでしょう。もしかするとあなたは身内の力になりたかったのであって、障がい者の力になりたかったわけではないのかもしれません。

筆者も福祉の分野で仕事することを考えていた時期がありましたが、身内以外の障がい者に対して心の底から力になりたい、というほどの思いが持てるか否かで悩み、他の分野に関心を向けました。もし福祉の分野で就職していたら、身内の世話することと他人を世話することのギャップに苦しんだと思います。


2.障がい者のきょうだいの社会人と話してみる


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同じ障がい者のきょうだいであっても、福祉や教育の仕事についた人もいますし、そうでない人も大勢います。そうした社会人の障がい者きょうだいにどんなことを考えて進路を決めたのか聞いてみると、自分の将来のイメージを掴む手助けになります。

障がい者のきょうだいの社会人が身近にいなければ、きょうだい同士の集いも開かれていますので、そういったところで話しを聞ける相手を見つけるといいでしょう。おすすめの集まりとして、「きょうだいの集い」という活動があります。若い参加者が多いため、就活のことを相談しやすいでしょう。


さいごに


障がい者の身内という立場だと、普通の人が悩まないことで悩む場面も多いでしょう。けれども、普通の人が悩まないことで悩んだからこそ、人として大きく豊かに成長できる可能性もあります。ぜひ大きく豊かな人生を送れるよう、自分の望む仕事をしっかりと見定めてください。

(ライター:こうたろう)