「10年後には何をしていたい?」という難題への3つの対処法

2011.8. 2  169200Views

就活生の誰もが就活中、「私って何がしたいんだろう?」と自問自答し続けるものです。

説明会やOB訪問をしながらその答えを必死に探しているのに、面接ではかなりの確率で「君は10年後我が社で何をしていたい?」と聞かれます。

この難題に対する「あなたなりの」答えを用意するための対処法を一緒に考えてみましょう。


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1.質問の意図を理解しよう!


面接を攻略する第一歩は質問の意図を理解することです。
「10年後何をしていたい?」という質問の意図は2つあります。

■会社の仕事を具体的にイメージできているか?

面接官はこの質問を通じて、就活生が企業や仕事のことを具体的にイメージしているかを見極めます。

ですから、「営業の最前線で活躍したい」といった抽象的な返答は望ましくありません。
これでは、面接官に「この就活生はあまり入社後のことを考えていないな」と判断してしまいます。

「営業として研鑽を積み、10年後には○○事業部で新規事業の立ち上げに営業チームのリーダーとして参画し、販路拡大に貢献したい」
といったより具体性のある返答を心がけましょう。

■上昇志向があるか?

もう一つの意図は、「成長へのどん欲さがあるか」チェックすることです。

年次が上がっていくに連れて、当然仕事の難易度、求められる仕事のクオリティも上がっていきます。
徐々に増していく企業からの期待に応えるためには、社会人として相当の努力が必要です。

「10年後に何をしていたい?」という質問には、「成長を意識した」返答ができることが求められます。



2.仕事を具体的に知る、イメージする方法


では、「具体的で」かつ「成長を意識した」返答をするためにやっていただきたいことを4つご紹介します。

■志望企業の事業領域を正しく理解しよう!

兎にも角にも、まずは面接を受ける企業のことを正しく理解しなければはじまりません。

事業の内容や状況については、各社がIR資料として開示している決算短信や有価証券報告書などで詳しく知ることができます。
株主向けにパワーポイントなどで作成されている資料は製品なども載っており、就活生にも役立つはずです。
特に、将来積極的に展開していく事業分野について注目してみましょう。

<参考記事>
企業研究に役立つ!IR情報の見方


■志望職種の特徴を把握する!

職種に関する理解を深めるためにオススメなのが、説明会やOB訪問です。
説明会やOB訪問を通じて、様々な職種の先輩方と交流し、職種の理解を深めましょう。

「え?!違う会社の人なのかな?」と思うくらい職種によって考え方が異なるので、自分の能力を最大限発揮できそうな職種を探してみてください。

■興味のある事業と職種の関わりを整理する

企業の事業領域や職種についての理解が深まってきたら、「関心がある事業に希望の職種からどのように関わることができるのか」考えていきます。

(例1)
Q.新しいカメラ事業に「営業」として関わることができたら?
A.既存のカメラでは想定していなかった年齢層を顧客に取り込むため、営業として新規の販路開拓を行うことができる。

(例2)
Q.新しいカメラ事業に「人事」から何ができるのか?
A.他の事業部に所属していたデザイナーをカメラ事業部に異動させ、新しい風を吹き込んでもらう。

例で挙げたように、同じ事業に対して異なった職種からアプローチをかけることが可能です。
「興味の事業にどの職種から関わりたいか」しっかり考えてみましょう!

■社会の流れを読む!

新聞・経済誌などを読んで、社会の流れを掴んでおきましょう。

10年後の世の中を読むことは就活生には難しいですが、最低限今の社会の流れを把握してください。
面接で、「○○製品は来年度以降、△△の方向性を持つと言われています」などと時事ネタを返答に組み込むことができれば、ベターです。



3.面接での希望は配属に直結しない?!


3つ目に、「10年後にしていたいことは?」という質問は、あくまで会社や事業の理解を問うものであるということを再確認しておきます。

仮に完璧なキャリアビジョンを提示できたとしても、「将来は○○部に100%配属されるだろう」とは思わないようにしてください。

会社には星の数ほど仕事がありますから、就活中に希望した部署へ配属されないことも多々あります。

あまりシリアスに「10年後の自分」を考えるよりも、「こんな自分もひとつの将来像として魅力的だな」くらいの柔軟な姿勢で臨んでみてください!



さいごに


いかがでしたか?

「10年後に何をしていたい?」という質問に的確な回答をするためには、かなりの準備が必要です。
また、既に述べたように希望が必ずしも通るとは限らないことも、この質問をより難しくしています。

ですが、真剣に会社や職種を理解しようと努力することで、内定も近づいてきますので、頑張っていきましょう!

それでは、また。

(ライター:KSG 「就職活動支援サークル よこりく」代表)