「選考ではアルバイトの話をしない方が有利」説がちょっとだけ分かった件

こんにちは、常見陽平です。


a0001_007893.jpg






ずっと変わらない就活都市伝説!その真相とは?




学生さんの間で噂になる「○○有利説」や「都市伝説」の類は、実に毎年同じようなものでびっくりします。


「やっぱり、体育会系は有利。某インフラ系には○○大学○○部の枠がある」
「グループディスカッションでは司会をやった方が有利」
「サークルの幹部は有利」
「ウェブ系の○○社は顔採用らしい」
「○○證券は内定辞退をすると、コーヒーとかカレーをかけられるらしい...」


・・・本当にいろいろありますね。
さらには、多くは私が就活生だった頃からある噂ですね。


その中でも、「選考ではアルバイトの話をしない方が有利」という説が毎年、噂になります。
実際、80年代~90年代に大ヒットし、現在も続いている某マニュアル本には
「面接では、アルバイトのことは言うな」というノウハウが紹介されています。


私はこのノウハウについて、以前から大いに疑問を持ってきました。


ズバリ、アルバイトのことを面接でアピールして内定をとった学生をたくさん知っているからです。


そして、自分自身も学生時代にアルバイトで社会の厳しさ、
お金をもらうことがいかに大変かなどを学びつつ、大きく成長できました。


そして、私は人を型にはめ、思考を停止させるマニュアル本が嫌いです。
そもそも私はマニュアル本が大嫌いだから、この仕事をしているわけです。
就活と採用活動に対して、怒りと、愛があるが故に続けているわけです。


まぁ、もっとも新卒の就活は初めてで、最近は就職留年なども普通になりましたが、
基本的に1回だけなので、みんな分からずに不安になるので、マニュアルに走るのですよね...。


「就活と恋愛は一緒」とよく言われるわけですが、
「どうしたら分からないのでマニュアルに走りがちになる」というのも似ている点かもしれません。






「バイトの話はするな説」を否定してきた常見の気持ちが揺れた3つの理由








とはいえ、このノウハウが大嫌いだった私も、
最近「たしかに当たっている部分もあるかも...」と思う瞬間がありました。


理由は3つです。




◆その1.どの学生も同じにみえてしまう


先日、ある女子大で100人に対して模擬面接を行いました。


「学生時代に力を入れたこと」を聞いたところ、7割~8割の学生が「アルバイト」と答えました。
さらには、アルバイトの中身もたいていが飲食店のホールでした。


しかも、「いつも笑顔で接客した」「トラブルにも臨機応変に対応した」などと言うんですよね...。


日本の就活は飲食バイトの自慢競争かとすら思ってしまいましたよ。


さらに、説明に具体性がないんですよね...。
誰もが同じにみえてしまい、正直、「またか・・・」と思いました。




◆その2.「アルバイトで学んだこと」に説得力がない




「アルバイトで、コミュニケーション能力を磨きました」
「様々なお客さんと触れ合うことで環境適応能力を磨きました」
などと言うわけですが...。


評価するのはこっちなのですよね...。


「コミュニケーション能力がある」と自分から言う学生に対して、
その力があると感じたことはあまりありません...。




◆その3.バイトをまったく評価しない面接官もいる




そして、中にはアルバイト経験をまったく評価しない面接官もたまにいます。


ある中堅消費財メーカー社長は、
「最終面接で会う学生に、アルバイトを頑張ったとアピールされると戸惑ってしまう。
学生なら、勉強やサークルに力を入れるべきではないか?」
と語ります。


まぁ、アルバイトをしないと生活できない学生がいることも事実なのですが。
ただ、こんな考え方の人もいますね...。






では、どうすればよいのか?






「バイトは言わない方が有利説」を肯定するわけではありません。


アルバイトの経験をアピールして、内定に至った学生も多数いるわけです。


何が違うのでしょう?


就活の基本ですが、中身と意味付け、伝え方が違います。


就活で問われるのは「何」をやったかだけでなく「どう」やったかです。


アルバイトにどう取り組んだのか、どのようにPDCAをまわしたのか、
どう成長したのか、さらにそれらを伝える具体性ですね。
「すごく頑張った」など、空気語では伝わりません。


「学生時代に頑張ったことはアルバイトです」と自己PRをしているアナタ。


今一度、そのアピールで「この人、仕事できそう」「この人を採用したい」と伝わるのか、
考えてみましょう。