OB・OG訪問って、何を聞けばいいの?

2012.12.21  60801Views

皆さん、こんにちは。常見陽平です。




OB・OG訪問はやった方がいいのだけど




納得のいく就活をするためのポイントは、昔も今もOB・OG訪問です。
業界・企業・職種に関するリアルな話が聞けますし、選考対策のポイントも分かります。
社会人とのコミュニケーションにも慣れることができます。


とはいえ、学生の6割はOB・OG訪問をしません。
ソー活の時代になり、増えているかというと、そうでもないです。
まあ、OB・OGを探したり、アポをとるためのツールはFacebookなどにシフトいているようですが。


もっとも、OB・OG訪問はやればいいというわけではありません。
ちゃんと質問を用意していかなければ意味がありません。
また、OB・OG訪問をすると面白い話を聞けるわけで、テンションも上がるわけですが、それを目的化してもしょうがないです。
厳しい先輩も中にはいるものの、たいていはお客様扱いされるので、入社した後の新入社員に対する接し方とはちょっと違いますし。
本当にデキる人で、忙しい人は時間を作ってくれないことの方が多いですし。
最近、気になっているのは、OB・OG訪問の目的化です。
「やらなくちゃ」と思うものの、アポを取り、取りあえず行くだけで全てをわかった気になっていたり...。


とはいえ、やらないよりやった方がいいと思うのですけどね...。
でも、ちゃんと考えて行動しないと意味がありません。


<参考記事>
温厚な社会人を意外にイラっとさせるOB・OG訪問での質問とは?




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何を質問すればいいの?




「OB・OG訪問で何を聞けばいいのですか?」という質問をよく頂きます。
まあ、採用広告や、会社説明会だけではわからない話をどんどん聞けばいいのですが。


あまりマニュアルっぽいことを書くのはあれですが、質問するべきことのヒントをお伝えしますね。




1.現在の仕事について


どんな部署で、どんな仕事をしているのか?


事前に調べている前提で、具体的な質問をしてみるといいでしょう。




2.どんな学生時代をおくったか?


これも聞くと参考にはなります。
どんなタイプの学生を採っているのか、ヒントになりますね。




3.どんな就活をしたのか?


ずばり、あなたが行きたいある会社で働いているということは、同じような軸で就活をしていた可能性があります。


聞いておくといいでしょう。




4.入社した理由


なぜ、その会社に決めたのかは聞いておくといいでしょう。




5.入社して驚いたこと、気づいたこと


入社前と入社後のギャップですね。


「ギャップはありましたか?」という質問をする人がいますが、これはまるでその人が企業選びを間違ったかのように聞こえるので、私は嫌いです。




6.思い出に残る仕事、成長につながった仕事


まあ、若手社員ならまだないという人もいるでしょうけど。
仕事で一皮向けた体験を聞くとよいでしょう。




7.いま、業界、企業が直面している課題


事前に調べた上で聞きましょうね。




8.働いていて、同業他社との違いを感じるポイント


同じ業界でも、結構違うものです。押さえておくとよいでしょう。




9.仕事でやりがいを感じるポイント、楽しいなと思う瞬間


これも聞き方に注意です。
「やりがいはありますか?」「楽しいですか?」ですと、まるでその人がやる気がないようにとられることも。




10.今後の夢、ビジョン


仕事を通じてのことを中心に聞いてみましょう。








この10点を深く聞いていくと、60分〜90分はあっという間です。
もちろん、事前に予習をしていった方がいいですね。


また、採用ホームページや就職ナビのページをプリントアウトしたもの、入社案内などは持っていったほうがいいです。
それをもとに質問をすると、より現場の本音が分かります。


採用担当者は何かと会社をかっこ良く見せようとするものですから。
「人事はこんなこと言ってるけど...」と本音トークが始まるかもですよ。


最後に、おまけとして他の具体的な質問トーク例を載せますね。
このまま読み上げずに、その会社の事情に合わせてアレンジしましょうね。


では、OB・OG訪問、楽しくいきましょう。


<おまけ/質問の例>


●現在、ご担当されているお仕事について教えてください(事前に調べていることが前提)。
●一日の仕事の流れを教えてください。
●取引先はどのような企業ですか?
●(営業担当の場合)1人何社くらいの企業をご担当されているのですか?
●(企画担当の場合)1人どのくらいの案件を抱えているものですか?
●顧客はどのような課題を抱えていますか?
●仕事で一番夢中になれるのはどのようなときですか?
●仕事でつらいと感じる瞬間はどのようなときですか? 
●競合他社と比較した強みは何ですか? 
●同業で気になる企業はどこですか?
●配属(異動)はどのように決まりますか?
●社内で優秀だと評価される方は、どのようなタイプの方(能力を持った方)でしょうか?
●何時に出社して、何時頃ご退社されることが多いですか?
●残業は月に何時間くらいしていますか? 
●○○さんがこの企業を選んだ理由は何ですか?
●入社前にどの部分に魅力を感じていましたか?
●入社する前と入社した後のギャップについて教えてください。
●○○さんの就職活動について教えてください。 
●選考の際に気をつけるポイントは何ですか?
 


執筆者プロフィール

常見陽平

常見陽平

評論家
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、クオリティ・オブ・ライフ(現在:フェロー)を経てフリーに。
雇用・労働、キャリア、若者論などをテーマに執筆、講演に没頭中。
2015年4月 千葉商科大学に新設された国際教養学部の専任講師に就任。
著書多数。