「それ、もう聞き飽きました...」あまりにも定番すぎる自己PR、志望動機はこれだ

2011.3. 3  86722Views

こんにちは、常見陽平です。

毎年模擬面接をしています。学生さんと会っていると、
それぞれ、違う人生を送ってきたのに、あまりに同じような自己PR、
志望動機を言う学生だらけでびっくりしました。

いや、言い回しは一緒でも、その人の人となりが見えればまだ言いのですが・・・。
おそらく、採用担当者も同じ気持ちではないでしょうか?

あまりにも、どの学生も同じことを言う、定番自己PR、志望動機をまとめてみました。

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「最初は営業として、現場を学びたい」で、現場ってどんなところですか?



この言い回し、ここ数年よく聞きますねぇ。
実は企画志望という方に多いですね。
いや、実際会社ではこういうキャリアパスはよくあります。

私も最初に入った企業では2年営業をやったあとに企画担当になりました。
営業を通じてビジネスの基礎を鍛える、現場感覚を持つ。大事です。

ただ、こんなことを言う学生の最大の課題は「現場ってどこ?誰に会ってどんな仕事をするの?」
ということを分かっていないことでしょう。

これ、企業を受ける際の基本なのですけど、面接した学生にこう突っ込んだところ、
ちゃんと答えられた学生は1/3くらいでしたかね。

まずはその企業が何屋さんで、営業職の仕事とは何なのかを把握したいところですね。
また、営業から他の職種に本当に移りたいのなら、営業出身者が活かせる視点は何かを考えたいところです。
そもそも、最初から企画の仕事をするのもいいのではと思ったりするわけですよ。
企業のことを調べましょう。
自分の適性も意識しましょうね。

「地域の中小企業、個人に貢献したいです」



出ました。地銀、信金を受ける人の90%くらいがこんなことを言います。

「その地域の中小企業ってどんな企業が多いの?」
「具体的にどんなお手伝いが必要だと思う?」と突っ込むと、
フリーズします。

ここが大事なんですけどね・・・。

「地域」という漠然とした言葉を使いますが、
地銀、信金の場合はエリアがある程度限られるわけです。

そのエリアと、そこにある企業、住んでいる人はどうなっているか?
課題は何か?
企業と、あなたの強みを活かしてお手伝いできることは何か?

考えてみましょう。

「アメフトは戦略のスポーツです」



最近は流行らなくなりましたが、以前はアメフト出身者は誰でも言うお決まりフレーズでした。

あなたはどんな戦略を練って、実行して勝ったのですかね。
いかにも戦略性がなさそうな人にこう言われると、説得力がないですよねえ。

「飲食店のアルバイトで常にお客様の気持ちを読む接客をしました」



最近の学生のアルバイトといえば、飲食店。
経験が似通っているのですよね。

面接官は1日中、学生の飲食バイトの話を聞かされるわけです。

PDCAをいかにまわしたか、どんな創意工夫をしたかなど、
エピソードの具体性を知りたいところです。

実は優れているのは店員教育であって、その人は何も考えていないなんてこともよくありますねぇ。

先日、面接した学生ですべてのお客様について、
個人の取り組みとして業務日誌的に毎回ノートに記録していた方は創意工夫しているなあと感じましたが。

さいごに



別にこれらのトークをしたらすぐに死亡フラグというわけではありません。

採用活動は「欲しい人」を採る活動なので、
志望動機が甘っちょろくても内定がでる人はいる。
これが現実です。

とはいえ、自分のことや、想いは自分の言葉で語りたいですね。
自分の言葉で自分を語る。就活の基本です。

誰でもいい、どうでもいい面接にならないよう、今一度考えてみましょう。

執筆者プロフィール

常見陽平

常見陽平

評論家
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、クオリティ・オブ・ライフ(現在:フェロー)を経てフリーに。
雇用・労働、キャリア、若者論などをテーマに執筆、講演に没頭中。
2015年4月 千葉商科大学に新設された国際教養学部の専任講師に就任。
著書多数。